花ござの花は模様という意味です。中国語で「花様」は柄物・デザインという意味で所謂花柄に限ったことではありません。その言葉が伝統的に日本でも使われているのだと思います。ダブルベッドを覆う一枚ものの大きな寝茣蓙は中国にもありました。夏に使われるのでしょう。無地でした。染の技術に問題があるので無地の方が安心なのでしょう。
列車のように長い一階の廊下には元々カーペットが敷いてありました。廊下は台所から表の店まで基本的にフラットでした。
南の和室と北側の和室をひとつながりになるように廊下にも畳が敷いてあります。途中に扉があって畳はそこまでですから扉の所で段差になっています。畳の表がすり減ってだいぶくたびれていました。
二階の絨毯を剥がしたら下に花茣蓙が敷いてありました。以前は夏に花茣蓙、冬は絨毯に毎年敷き替えていました。夏の花茣蓙の上にさらに絨毯を重ねて、いつしか敷きっぱなしになっていました。七畳半の部屋に敷いてあったのですが、冷蔵庫も置いてあって一部は朽ちています。
家具の下になっていたところとそうでないところでは日に焼けて斑になっています。そのままどこか別のところで使えるものではありません。必要な大きさに切って洗って使いまわしすることにしました。そのまま洗ったのでは水を吸って重すぎて運べなくなります。
花ござは三つ折になっていましたから、切り離せば廊下で使えます。一番状態のいい(日焼けの少ない)ところを廊下の畳の上に敷いてみました。幅はちょっと余りますが、丈はピッタリです。母が転ぶことを極端に用心して、膝をついて這って移動します。いちいち立ち上がるのも面倒なのでしょう。畳の上は膝で歩くのもフカフカですが、薄いカーペット部分はかなり固いです。ここに絨毯を廊下の幅に切って敷きました。厚みが変わったので、途中にある扉が閉められなくなりました。
扉は付け替えて廊下の模様を統一するために絨毯の上にも花茣蓙を敷いてみました。扉の段差部分には枕木のような詰め物を作って、模様がひとつながりになるようにしてみました。

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(1)畳の段差とドアの間の複雑なスペースを埋めるパーツづくりです。必要な長さに切って端が解れないように括る工程です。経糸の端を括れる長さまでイグサを解して取り除きます。
(2)まだ慣れていないので、経糸十本置きに仮結びをしました。その後で、三本〜四本を並べて一緒に結びます。二倍の手間がかかりますが、少々もたもたしてもすでに上下の経糸が点々と結んであるので端のイグサが緩んだりしないので安心して作業ができます。経糸は3〜4本を縒り合さずに並べたまま括るのがコツです。結び目とそれぞれの経糸の距離は違うので縒り合すと弛みが修正しにくくなります。並べた状態で結ぶと、ちょっと扱(しご)くだけでピンと張ります。
(3)干してしっかり乾燥させました。
(4)茣蓙を台木に取り付けるのに傘釘を使いました。釘の足は木の厚みの2/3くらいです。
(5)枕木(台木)には絨毯を巻いて、その上に茣蓙を巻いています。織り込んだ茣蓙の端を傘釘を打ち込んでしっかり留めます。
(6)しっかり引っ張って一周した茣蓙を端から留めていきます。端っこは柱の陰の袋状になった部分にきっちり嵌るように残してあります。
(7)長い廊下の途中にドアがあって、畳はそこまでしかありませんから、段差になっています。畳の段差とドアまでの10数センチに同じ柄の詰め物を入れました。
(8)柱の陰にもピッタリ詰め物が回って完成です。

para1002n(ぱら仙人)
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