長年空き家になっていた古い襖を張り替えてみることにした。40年来の古い襖紙は劣化してぼろほろ崩れる。外して下に向けると紙の自重でベラ〜ッと剥がれる。破れるというより崩れるという感じ。下地もボロボロ折れるように砕ける。
おそらく糊も着かない。元の骨組みの桟だけにして木地を紙やすりで擦り出さなければならない状態。ちょっと面倒なので全体を新聞紙で覆ってその上に茶ちり紙を張って下地にしようと思った。
前傾姿勢での作業はつらいのでまず、作業台作りから。椅子の背もたれの上にコンパネを載せて、ブルーシートで被ったら俄か仕立ての作業台ができた。高さも丁度いい。
椅子を並べ、コンパネとブルーシートでにわか作りの作業台

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40年来の襖の裏と表

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(3)襖の裏側、押入れ側で日が当たっていないので比較的しっかりしている。この上から襖紙が重ね貼りできそうだ。(4)表は劣化が激しくボロボロ骨が見えている。襖紙は自重で自然に剥がれた。この後、枠を外す作業中に更にボロボロになる。
外枠が釘付けしてあった

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(5)通常なら、天の桟は手でぐさぐさ動かせば外れるはずだが、両側から長い釘が打ち込んであった。(6)中央にも上から短い釘が打ち込んである。(7)反対側の端の釘は天の桟木をクルクル捩じって引くと外れた。

(8)

(9)

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(8)縦の外枠は隠し釘でスライドして加締めてあるので、上から軽く叩くと動く。釘の頭と釘穴が一致したところでパカッと緩んで外れる。(9)釘孔と釘の頭を合わせてスライドすると、上下どちらに動かしても締まるようにできている。(10)外枠を外したところ。鴨居側の桟の方が幅広く作られている。鴨居の溝に隠れる部分が深いので上下の厚みが均等に見えるようにしてある。
引手の取り外しとバリ取り

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(12)
(11)幅が広くて薄いドライバーかバリ取りのヘラのようなものを差し込んで、グラグラ動かしていると釘の頭が少し出て來る。ペンチのような道具で軽く引けば抜ける。反対側の釘は引き手ごと引っ張れば簡単に抜ける。(12)下地がぼろぼろで糊が着かないし、襖紙の残りが木地のところどころに残って段差があるので包丁で軽く鉋掛けのように削り取って平らにする。下地の新聞紙は枠の表に4〜5mm貼るし、茶ちり紙は隠し釘の面まで巻き込んで貼るので両面ともキレイに平らにする。ペーパー鑢(やすり)で削ると、角が落ちやすいので、若干反りのある包丁のような刃物が便利な気がする。木目をよく見て逆目になって刃が深く入らないように注意。
古い在庫の洗濯糊を使用

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(13)襖の縁がきれいになったら、下地紙を貼る作業。今回は試しに安上りの新聞紙を貼ってみる。糊は使い残りの古い洗濯糊。口の中で固まらないように蓋を下にして保管してあった。それでも一部粘りの硬いところが先に出てきたのでそれはしっかり水で溶いて使った。(14)周囲の枠にも、中に組まれた桟の辺りにも下地紙の上からたっぷり刷毛で糊を塗った。刷毛は水をたっぷり含んでいたので初めは糊がかなり緩かったかもしれない。乾けば何度も糊を重ねられるのでそんなに焦って作業をする必要はない。新聞紙は両サイドの枠線がちょうど目印になる大きさだったので便利がよかった。一晩経って、糊が薄すぎてくっ付いていないところやしわになったところは洗濯糊を絵筆に付けて注したり、隅を剥がして引っ張って貼り直したりした。最後に霧吹きで全体を湿らせてみた。(15)翌日には新聞紙がピンと張った。一カ所波打ったところは隅を剥がして糊を注し、引っ張って貼り直した。朝、浮いたところに糊を注し直して、午後又修正し、翌朝さらに手直し、午後又付きの弱いところに糊を注し、全体がぴしっと平らになるまで何度も手を入れた。土台がきちんとしていないといくら上に重ねても良くはならないのでここは徹底した。3日目にやっと土台の新聞紙が平らになったので、上に茶ちり紙を袋貼りしてみようと思う。

para1002n(ぱら仙人)
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