中津原(広島県福山市)の公園に10年間住みついてせっせと公園の整備をボランティアでやっている面白いおじさんがいる。住所が定まっていないので年金の支給はないそうだ。市役所からは公園から出ていくように云われているそうだ。
河川敷や堤防の法面の草刈は国土交通省が年2回行っている。と云っても、造園業者に丸投げなので、このおじさんが芝刈りアートをしているエリアは造園業者も手を付けない。この人の技術はまだ完ぺきとは云えない。何せ道具が剪定ばさみ一丁のホームレスのおじさんだから、試行錯誤の発展途上なのだ。とはいえ、苦節10年。黙々と一つ亊に集中する熱意には頭が下がる。造園の社員の人達も、このホームレスのおじさんの生きがい、楽しみが手に取るように分かるだけに、とても協力的なのだ。
この人の作品がgoogleの航空写真に写っていた。

この芝生アートのある土手の法面から水辺まで、広いところで40m、狭いところで10m。北は大渡橋から南は山陽自動車道の高架下まで総延長800mの範囲、中津原水辺公園の花壇以外の遊歩道周辺、水辺の斜面、芝生の手入れを一人でやっている。頼まれたわけじゃない。出て行ってほしいと云われながら、黙々と10年。
土手のあちこちに自生していた彼岸花を掘り起こしては、水辺に移植して、直径1m強の花壇を60カ所以上一人で作った。自然木の雑木を伐採し、等間隔に日陰を作れる並木にした。雑草だらけの広場でも、手押しの芝刈り機で丹念に芝刈りを繰り返し、とうとう絨毯のように目の詰まった輝くばかりの見事な芝生広場に仕上げた。
住所がないだけでどうして市役所から追い立てられるのか、このホームレスのおじさんのやっていることは、称賛されてもいい。立派なボランティアだ。これだけの広い土地を自分の構想通りに整備できる、このおじさんの生きがいは、ちっとも迷惑なことではない。10年も一つのことを無償で続けられる人はそうざらにはいない。技術的にもかなり完成度の高い仕上がりになってきた。
10年の歳月は素人をプロの領域にまで成長させる。

剪定ばさみ一丁で黙々と草刈り

「手押しの芝刈り機では長い草は押し倒して切れないので、芝刈り機が使える長さに刈りそろえるのです。」
右側は移植して増やし、一人で作った彼岸花の花壇の列。10年かかってここまで整備してきた。
ホームレスのおじさんが一人で作った花壇と並木


para1002n(ぱら仙人)
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