新聞の囲碁解説を読んでいてもさっぱり呑み込めない。「147までとなって、形勢は、白良し。盤面でもどうかという勝負。」(解説の松岡秀樹九段)
白の5〜6目リードのはずだ。しかし、銀星17深層学習の解析グラフだと、逆に、黒がそれくらいリードしている感じに見える。
第39期碁聖戦本戦1回戦第4局黒九段山城宏55歳日本棋院現理事長、白三段堀本満成24歳、2013年12月5日 (年齢、段位は当時)(今年3月四段に昇段)
プロの形勢判断とはだいぶ異なる囲碁ソフトの形勢グラフ
さらに、「白174,176が最後の敗着。」と新聞解説には書いてあった。
試に170手から勝った黒を天頂6Zenで、負けた白を銀星17深層学習で打ち継いだ。実践でも、白は何度も逆転のチャンスはあったということなので、打ち継ぐコンピュータソフトで、逆転劇が起きたとしても、ソフト自身の巧拙は問えない。むしろ、双方相当な打ち手だと云ってもいい。
囲碁ソフトで打ち継いで260手辺りで逆転
白は2子をツイで黒に左上隅に手入れを催促

黒天頂6Zenは左上隅に手入れすれば、4目半負け。手入れしなければ左上隅は9目減る手が残る。天頂6Zenの検討で4の三に手入れも一瞬候補に挙がっていたが、すぐに絞り込み候補手から脱落。実践では打たれなかった。
(
;FF[3]GM[1]AP[PocketGoban Ver 0.999]
SZ[19]PB[山城宏天頂6Zen]PW[堀本銀星囲碁17]
GN[39期碁聖戦本戦1回戦]DT[2013-12-5]
PC[日本棋院東京本院]RO[4]RE[W+13.5]GC[260手黒2目半勝ちを170手から黒天頂6Zen白銀星17深層学習で打継。]KM[6.5]
;B[qd];W[dp];B[cd];W[qp];B[oq];W[kq];B[po];W[qo];B[pn];W[qm]
;B[qq];W[od];B[qn];W[rn];B[pp];W[qc];B[iq];W[ko];B[fq];W[io]
;B[fo];W[dn];B[dr];W[ck];B[ec];W[jc];B[rc];W[pc];B[re];W[qf]
;B[pe];W[pg];B[oe];W[md];B[ne];W[pm];B[om];W[ol];B[nm];W[nl]
;B[mm];W[rl];B[rq];W[cf];B[im];W[hr];B[hq];W[ir];B[jq];W[jr]
;B[lq];W[kp];B[lr];W[kr];B[gq];W[jm];B[jn];W[kn];B[in];W[km]
;B[ml];W[il];B[hl];W[ik];B[oj];W[pi];B[pj];W[qj];B[qk];W[oi]
;B[nj];W[pk];B[qi];W[rj];B[kk];W[gn];B[ho];W[lj];B[kj];W[kl]
;B[li];W[rf];B[el];W[dm];B[dj];W[dk];B[ek];W[bi];B[cq];W[cp]
;B[hc];W[nd];B[lf];W[me];B[ri];W[rk];B[og];W[ng];B[nf];W[nh]
;B[mf];W[fn];B[hn];W[ii];B[je];W[ib];B[gl];W[gi];B[dh];W[ch]
;B[kc];W[kd];B[jd];W[ke];B[kf];W[hk];B[kb];W[lc];B[hb];W[jb]
;B[gk];W[dg];B[gg];W[gj];B[hh];W[fh];B[fg];W[eg];B[ej];W[hi]
;B[be];W[dq];B[br];W[bq];B[cr];W[ff];B[qb];W[pb];B[ra];W[bp]
;B[pa];W[ob];B[sf];W[sg];B[se];W[rh];B[ro];W[fd];B[ge];W[fe]
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;B[ba];W[bd];B[ab];W[ad];B[tt];W[tt]
)
黒天頂6Zenが手入れを拒否し続けるのでいよいよトドメを刺す

まるで上手(上位者)が下手に手入れを催促し続けて、いよいよトドメを刺す瞬間のよう。全滅するわけではなくて、天頂6Zenはシッポの3子を捨てて、シラ〜と生きた。詰碁が読めなくて放置していたわけではなくて、とても強い人同士が意地の張り合いで最後の最後に詰碁でもやってみと涼しい顔に私には見えた。
一昔前なら、囲碁ソフトは手入れの要不要とか、詰碁の読み合いができないと小ばかにしていたところだが、実際に囲碁ソフトがここまで強くなると、もっと深い理由があってそうなさっておられるように思えて仕方ない。4目半でも13目半でも負けは負け。もはや何とも申し上げようがございません。
左上隅が詰碁のような面白い形なので、銀星17深層学習の詰碁対局で黒1の二にハネて、白2の一にサガリとかで、試してみた。目あり目なしなので、白はサガリでは勝ち目がなさそう。
コンピュータソフトはコウで受けるのが最善と応対した。瞬時に解答したので、詰碁や攻め合いが分かっていないわけではない。勝率計算ではどちらも負けなので、ヨセの大きさという意味では比較ができないのかもしれない。
初手は「7」のワリコミ又は、「5」のハネ。尻尾の3子を捨てて生きるが、白地がハマコミで6目増えて、黒地が3目減って、合計9目損して、しかも、後手。生きても意味がないとは云わないが、手になるところを放っておいても他を打たねばならんほど逼迫していたということか。銀星17深層学習は天頂6Zenよりも戦い上手かもしれない。

para1002n(ぱら仙人)
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