将棋はコンピュータが駒扱いまでする。指運と云っても違和感はないが、人間のプロより強く、最短最善を徹底して指すので、ちょっと指運というイメージは湧かない。人間は半目勝負の厳しい碁を制した方が、謙遜して指運でしたという。
囲碁ソフトには指も手もないのに、指運がぴったりの現象がある。囲碁ソフトの形勢判断では、しょっちゅう二転三転している。終局までに通過しなければならない必然のコースなら、そのうちのいくつかの逆転は無視していてもいいものなのだろう。逆転が不可避ならやむを得ない。どれが避けがたい逆転で、どれが回避できる逆転かは残念ながら私にはわからない。
でも、結果を見ると、1目勝ちだったり、持碁だったり、2目勝ちだったりする。半目コミがあれば、逆転しているケースが含まれるが、コンピュータは持碁を黒負けと見て寄せている訳ではないので、持碁のシュミレーション結果は排除しないのかもしれない。
初めはそのことに思い至らなかったので、棋譜通りの手合割でテストしていた。古棋譜のヨセテストは半目コミで行う必要がある。
ヨセテストは、あくまで現在の囲碁ソフト同士を自動対局で寄せ合いしたら、どう打つかというテストです。最善のヨセかどうかの判断は私には出来ません。
棋譜ソースで再現してご自身で確かめてください。よろしくお願いします。
囲碁ソフトのお蔭で、私のようなへぼが打ち継ぎテストを試みようと思える、いい時代になったと、とても感謝しています。
219手から打ち継ぎのヨセ 黒最強Zero白天頂7Zen
白黒交替して打ち継ぎヨセテストの2局目
ここから
(
;FF[3]GM[1]AP[PocketGoban Ver 0.999]
SZ[19]PB[コンピューター九段]PW[本因坊算砂天頂7Ze]
GN[古棋譜打継]DT[2019-07-01]
RE[0]GC[黒鹿塩利玄白本因坊算砂219から黒最強Zero白天頂7Zenに交替で打ち継ぎの2局目]KM[0.0]
PL[B]
;B[do];W[pe];B[ec];W[op];B[pc];W[qc];B[qb];W[qd];B[mc];W[dq]
;B[eq];W[er];B[ep];W[cp];B[co];W[fr];B[gq];W[ci];B[cf];W[cl]
;B[gr];W[bp];B[bm];W[cm];B[bl];W[ck];B[bo];W[kq];B[cr];W[dr]
;B[fq];W[qo];B[qj];W[qh];B[qm];W[jc];B[ob];W[gc];B[fc];W[gd]
;B[ef];W[rk];B[qk];W[rl];B[qi];W[ql];B[rh];W[qg];B[rg];W[rf]
;B[pl];W[rj];B[ri];W[rm];B[oh];W[me];B[kd];W[kc];B[lc];W[ng]
;B[nh];W[mh];B[og];W[nf];B[mi];W[li];B[lh];W[mg];B[mj];W[lj]
;B[kh];W[lk];B[mk];W[ld];B[jd];W[ke];B[id];W[ic];B[if];W[jg]
;B[jf];W[gf];B[kf];W[hg];B[lf];W[of];B[ih];W[rb];B[ra];W[sb]
;B[ll];W[jk];B[kl];W[de];B[ee];W[gi];B[hj];W[ce];B[df];W[cc]
;B[be];W[bd];B[dd];W[cd];B[bf];W[bb];B[db];W[ac];B[hh];W[gh]
;B[fg];W[gg];B[ei];W[gj];B[ek];W[fd];B[ed];W[eh];B[dh];W[hk]
;B[kk];W[fl];B[el];W[em];B[fm];W[ej];B[dj];W[fj];B[di];W[dk]
;B[en];W[dm];B[gl];W[fk];B[mq];W[lp];B[pq];W[oq];B[or];W[qr]
;B[pr];W[rq];B[pp];W[po];B[mp];W[mo];B[no];W[oo];B[lo];W[mn]
;B[ko];W[np];B[mr];W[jo];B[jn];W[jp];B[ln];W[mm];B[in];W[nr]
;B[nq];W[kr];B[ns];W[ls];B[kp];W[lq];B[ms];W[ps];B[iq];W[jq]
;B[ip];W[qs];B[os];W[qp];B[io];W[qq];B[jr];W[ir];B[js];W[is]
;B[hr];W[ks];B[jr];W[ch];B[fh];W[cj];B[ar];W[br];B[bq];W[bs]
;B[ap];W[cq];B[fs];W[cs];B[aq];W[es];B[om];W[lm];B[kn];W[nm]
;B[cb];W[ca];B[da];W[ba];B[hb];W[hc];B[gb];W[ij];B[ki];W[gm]
;B[fn];W[hm];B[qf];W[pf];B[sf];W[re];B[pg];W[od];B[md];W[le]
;B[ne];W[mf];B[nd];W[oc];B[kb];W[jb];B[ka];W[nb];B[nc];W[oa]
;B[pb];W[ma];B[mb];W[oe];B[na];W[lg];B[ig];W[nb];B[on];W[kg]
;B[na];W[jh];B[nn];W[nb];B[ji];W[lb];B[ii];W[bk];B[ph];W[al]
;B[bn];W[dg];B[eg];W[cg];B[fi];W[bg];B[il];W[hl];B[ik];W[hi]
;B[jj];W[im];B[jl];W[qn];B[pm];W[ia];B[gs];W[hn];B[ho];W[gn]
;B[go];W[ha];B[ga];W[ib];B[fb];W[je];B[ie];W[se];B[am];W[ak]
;B[ag];W[ah];B[hj];W[ao];B[an];W[ij];B[af];W[ad];B[hj];W[qg]
;B[jm];W[ij];B[sj];W[sk];B[hj];W[gk];B[qh];W[si];B[sg];W[ij]
;B[qg];W[qe];B[hj];W[as];B[ao];W[ij];B[bh];W[bi];B[hj];W[fe]
;B[he];W[ij];B[ai];W[aj];B[hj];W[pk];B[ol];W[ij];B[rn];W[nl]
;B[ok];W[hj];B[dn];W[ro];B[sh];W[sj];B[dc];W[dp];B[pn];W[ge]
;B[cn];W[hf];B[ff];W[ae];B[hd];W[nk];B[oj];W[js];B[hs];W[tt]
;B[tt]
)ここまで
430年前の実践は黒利玄11の二後手6目のハネで黒2目優勢の気配。打ち継いだ自動対局の最強Zeroも1局目の前回天頂7Zen同様、13ノ四に当てた。白の眼形を奪いに行く手と、12の五にポン抜いて、中原と上辺を連結する手を見ている。
古棋譜の実践よりも、囲碁ソフトの方がより積極的攻撃的で、決着が早く、解りやすく打つのかもしれない。
220は14ノ四に眼を持って生きるものと思っていた。前回、最強Zeroはそう打った。天頂7Zenはすごい。3目ツイで勝負に出た。眼がなくなってもコウにして勝てるシュミレーションに裏付けられているようだ。ビビりの私は、眼を奪われて、この先どうやって凌ぐのか不安になる。
最強Zeroもすごい。並びで眼を奪うのではなく、221アテコミからダメづまりを狙って、ガンガン攻める。222の方を先にツグ。この方が先手が取れる。天頂7Zenは強い。224は差し込みはなくなるが、とりあえず2眼無くなる。白の大石が死んだと思った。225後手6目のハネは分断された黒が生きるためには仕方がない。これで再び白が先手を取れる。227はハネツガずに下がり。これが部分的には正解らしい。ヨセとして1目得。228ハネ出しからマクッて、コウの形に持って行った。
天頂7Zenすごすぎ。きっとそばコウやら、何やら、コウ材豊富でコウは負けないシュミレーションらしい。黒もこれしか生き形はなく、負ければ全部死ぬが、コウで負ける側がフリカワリ先に連打する。充分成算があって、コウに応じている。闇雲のトン死ではない。
234後ろから7子アテて、大劫。白にはそばコウがたくさん立つ。237ツギ。こちらからの方が大きく取れる。238コウトリ。239セキ崩れになって、白の16子が死ぬ。コウを解消すれば、上辺の14子が取れる。出入りはほとんど同じで、形勢の変化はなし。
240慌ててコウの解消をせず、先に80の1子を助ける。冷静に先手2目。241コウトル。242出。白大逆転か。黒43接ぐ。セキ崩れ。下辺の白の大石が全滅。244コウトル。245オサエ。246は切らずに、コウを解消。247接ぐ。お互いに無事の分かれ。形勢は黒2目優勢。ほとんど動いていない。大フリカワリだったのに不思議。
248二線のオサエ。両裾空きなので、ほとんど地になることはない。249の2目抜き。白からは後手1に続いて、後手2。2手で3目。黒からも後手3目。白から先に1子抜くのは損。黒の権利のところ。
250ハネは先手2目。252アテも先手。256両サイド押さえに成功。ほとんど地にならない両裾空きが6目の地になったが、1手の価値としては、3目ヨセたことになる。後手6の半分。257両覗きは後手3目相当か。261両アタリ。262先手1目。264先手1目。白の権利のところ。266一線二コスミは後手3目くらいか。267接ぐ。これはハネツギ2目相当。白から取って来ると、黒地の1目減と半コウツギの1目で、出入り2目。270のところに逆ヨセ1目を打っておくのも同じ。
白から打てば、270、272、274は先手1目。276はダメ。人間なら時間つなぎのようなもの。囲碁ソフトは隙間を埋めて行って、残りの着手点を減らすためによくやる。囲碁棋譜としてはあまり打つ意味のない手。278オサエは後手2目。279は手を抜いて当て返す。280は後手2目のツギ。ツギツギになるのかと思ったら、黒最強Zeroはさらに後手2目のはずをハネっぱなしで、先手に拘る。更にそこもツガずに、283にコウトリ。281の上のツギが先手になれば、コウ材に使えるうえに、ハネッばなしの215の下のツギと両方が打てる計算になる。結果的に、300手まで進んだ状態から振り返ってみると、何カ所もハネッばなしの結果、1カ所はハネた石をただで取られて、最強Zeroの形勢判断では3目損(白から後手2目)になっていた。劫の最中に先手1目が打てているので、差し引きゼロなのか。
283コウトリ1目1/3。コウに勝ちツイでも、白の7子は取れるわけではないが、一応1手ヨセコウの形。2手掛けて1目1/3の劫を争いながら、後手2目のツギをコウ材に打たれたのでは合わない。黒最強Zeroは普通に立ち回っていれば勝っていたかもしれない。
287は両コウになるので、受けざるを得ない。元々黒に権利のところで、白から1子抜いてくることはできない。290ウチカキは損コウ1/2目。上からアテて後手2目の方が大きそう。291は後から7子アテてコウの価値を大きくしたが、1手損。単純に半コウツイでも同じ結果になるので、1手パスしてまだ半コウを残したことになる。
293,294でハネッばなしが2カ所。どちらかは逆にハネ接がれたのと同じ結果になる。296ツギは仕方がない。297トリは左辺のハネッぱなしを先にツイでも、巡り巡って同じ形になるところ。
298トリ。ハネツギと同じ、後手2。299ツギも後手2。300コウトリは1/3目。301欠け目のツギはダメだが、次に先手1目のヨセがあるので、半コウよりは大きい。302は後手1目。310は1/2目。半コウよりは少し大きい。319キリは最終的には白に一手手入れが必要なので損にはならない。320はコウトリよりもコウ材を先に打っている。323はダメ。ここで半目コミ出しなら逆転だが、コミ無しの設定なので、勝ちを譲らない範囲での緩みの域を出ていない。324は必要な手入れ。白は半コウを両方勝ちツイだのではなく、アテに欠け目を継いだだけ。ハマを取ってないので単にダメを継いだだけ。正しい手順で打てば、黒取り番の右辺の半コウに移って黒の1目勝ちかもしれない。コミ無し設定だったのでそのことを証明することはできなかった。

para1002n(ぱら仙人)
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