聡ちゃんは愛知なので、大阪の関西将棋会館へも、東京の将棋会館へも県をまたいで移動ができない。新型コロナ肺炎の影響で50日も対局がない。本来なら、勝ち進みさえすれば、もっと早く挑戦者になれたかもしれない。
将棋界も、囲碁界も対局が延期されて、テレビの囲碁将棋番組も再放送ばかり。八大タイトル戦最年少記録のタイムリミットが気になる。
もし聡ちゃんの住まいが東京なら、対藤井聡太七段戦だけでも、どんどん対局を消化して、何とか最年少記録を達成できるように、調整したいのも山々。名古屋ではどうにもならない。
天才には運もついて回るのか、六月から何とか解禁にこぎつけ、ギリギリ間に合うように対局日程を詰め込んだ将棋連盟。綱渡りのような連盟ぐるみの支援態勢に、天才聡ちゃんもよく応えた。解禁早々6月4日までに2連勝して、連盟の準備した舞台にちゃんと間に合わせて乗ってきたすごさ。
対戦相手の棋士先生以外はみんな大喜び。テレビ業界も、新型コロナの話題で閉塞気味のところに、降って湧いたような明るい話題に、業界ぐるみのよいしょとはいえ、喜んでみんな乗った。恵さんのひるおびTBSは前代未聞の長時間ドキュメント解説で、分かりやすくて楽しい。将棋であそこまでやったのは初めてだと思う。
将棋の公式戦再開に当たって、対局者はマスクをするように要請された。換気のために、ふすまを開けたままとか、記録係の席はいつもより離したり、大部屋でも2局だけとか、いろいろ条件も付けられた。ただし、将棋の対局ルールではないので、途中でマスクを外したからと言って、反則負けになるわけではない。
マスクをしたまま根を詰めて下を向いて考えていると、マスクをして全力疾走しているような息苦しさ、軽い酸欠のような不自由感はあるかもしれない。聡ちゃんは54手目3六銀を打ってから席を立ち、戻ってきてからの映像にはマスクを着けていなかった。うっかり洗面所にマスクを置き忘れてきたのかと思った。形勢不利で、考え事をしていると、そんなこともありうる。
ところが、実際はそうではなかった。あとから映像を見ると、対局室に戻って、着席前に意識してマスクを外している様子が映っている。まるで、窮屈だった鎧兜を脱ぎ捨て、身軽になって思う存分動きたい。そんな風に見える。やがて永瀬二冠もマスクを外して、お互いに身軽になって激突する。
お互いに鎧兜(マスク)を脱ぎ捨てて激突
うなだれるように考え込む永瀬二冠(左)
投了を覚悟して上着を着て威儀を正す永瀬二冠(左)
投了時の写真写りを考えてマスクをつける藤井聡太七段(右)
一瞬両手をちょっと挙げて投了の意思表示(左)

para1002n(ぱら仙人)
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