前回のナショナルチーム強化対局打ち継ぎヨセテストを白黒AIを入れ替えてテストしてみました。黒番芝野虎丸(当時15歳)247手目から入神の囲碁十段が引き継ぎ、白番林書陽(台湾棋院七段25歳)248手目から最強Zero九段に引き継いでヨセテストです。
各囲碁ソフトの形勢グラフを比較してみました。上から順に銀星囲碁18の形勢推移グラフ、2段目は天頂7Zen九段と入神の囲碁十段の地合計算機能を使って247手目から299手までの1手1手についてデータを取ってグラフ化したものです。天頂7Zenの地合計算結果は瞬時に表示されますが、入神の囲碁十段の地合計算表示は待ち時間が長い。1分程度から1分30秒平均、毎回かかりますから実用的ではない。それに同じ局面から地合計算すると5回やれば5回とも結果はまちまち。この現象だけを見ると、地合予測(計算)機能は単なる飾り物のパフォーマンスで、当てにならない。
人間のような下がり下がり計算とか先手の権利のところとか、ここはこうなるものとしてとかそういう便宜的なノウハウが使えない。現在の確定地と生き石に連なる勢力圏を地とみなして欠目も手入れも込みで数える。いわば中国の審判員方式がAIの地合計算に似ている。
双方同じ条件なので公平に見えるが、どうしても同形ではないので、2目や3目の誤差はやむを得ない事情がある。目数の地合計算は人間の(高段者)の方が正確だ。人間は一応形の決まった状態を予測して計算するが、AIに1手1手の途中の状態で地合を計算させることがそもそも無理なのだ。
AIの得意なのは、勝率による評価値方式で、これは人間にはできない。4億回計算した結果勝率が何%といわれると人間には反論のしようもない。全くでたらめのあり得ない手も込みで4億回といわれても、真偽のほどは分からない。人間にこの局面で勝率はどのくらいと聞かれても答えようがない。
AIはずるいと思う。人間がはっきり正誤を指摘できる目数で形勢を判断してもらいたい。囲碁の最終的な勝敗は目数差なので、勝率で言われても人間には勝率の目算はできない。
中國の棋士も目算は日本式の地合計算で形勢判断しているらしい。
形勢推移グラフの比較
上から順に銀星囲碁18の形勢推移グラフ、2段目は天頂7Zen九段と入神の囲碁十段、3段目は最強Zero、いずれも目差形勢推移グラフ。一番下は入神の囲碁の勝率による形勢推移グラフ
毎回のように目数差が変わる入神の囲碁十段の地合計算

265手目の同じ局面で地合予測計算をしてみた。1回目黒10目半、2回目黒9目半、3回目黒8目半、4回目黒6目半、5回目黒6目半。所要時間は毎回1分25秒から1分前後。他の囲碁ソフトの地合計算は即答か2、3秒で表示される。計算時間が長いほど誤差やばらつきが多いのでは意味がない。
黒253手目の地合予測では左下隅の死活が保留
白254手目の地合予測では下辺の死に石も保留

死活も地合も随分いい加減な印象にもかかわらず、勝率で評価されると人間はぐうの音も出ない。でも、このケースはいくら何でもないだろうと私にもわかる。人間が根拠を示せなくて反論できないだけで、勝率の評価も目差同様かなりいい加減なように思えてきた。
ここから
(
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SZ[19]PB[虎丸入神十段]PW[コンピューター九段]
GN[虎丸林書陽246打ち継ぎ]DT[2015-02-07]
RE[B+7.5]GC[日本ナショナルチーム強化対局「幽玄の間」2015年2月7日黒芝野虎丸白林書陽297手完黒1目半を247手から黒入神の囲碁十段白最強Zero九段に交代で打ち継ぎテストの2局目]KM[6.5]
PL[B]
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ここまで
動作環境
Windows 10 Home
システムプロセッサ: Intel(R) Core(TM) i7-2670QM CPU @ 2.20GHz、2.20Ghz
システムの種類 64ビットオペレーティングシステム、x64ベースプロセッサ、4個のコア、8個のロジカルプロセッサ (8 CPU)
実装メモリ(RAM) 8.00GB
合計物理メモリ 7.92GB
ハードディスク空き容量547GB (ドライブC)

para1002n(ぱら仙人)
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