中国碁では後手2程度の小ヨセ段階になって投了するケースがある。審判員が地を数え、盤上の生き石を数えて、微妙であればあるほど慎重になるので、とても時間がかかる。それで対局者が判断して投了するのだが、審判の手を借りるまでもないことは、相手も納得する。
日本の囲碁作法は、小ヨセ段階まで行ったら最後まで作るのが礼儀だ。ぎりぎりまで粘るのは、ありえないような相手のミスを待っているようで、品がない。投了するなら、それより前の段階ですべきであり、小ヨセに入ったら、きちんと最後まで作る覚悟でなければならない。
AIにとっては手入れの判断がとても難しい。中国流なら便利がいい。投了の作法に関しても、中国流がAIに都合がいい。どこに打っても負けが確実なら、負けの目数が最小限の最善手を選ぶことができないAIは投了でその場を逃れられる。半目勝負でも、負けがはっきりしていれば投了で間違いを広げずにきれいに終局できる。
勝ち碁なら、確実に勝てるように紛れのない打ち方を選ぶのは人間の場合でもある。ヨセを大きさで打つ必要がない。最善手である必要もない。
水の流れのような滑らかな石の流れに縛られず、自由に斬新なうち回しで、圧倒的な読みの量で、簡明に形を決めながらちょっとずつ得して、差を広げていけば、細かいヨセを必要としないのがAI流の囲碁の打ち方といえよう。
細かいヨセを必要としないAIに向かって、半目勝負の打ち継ぎがどうの、先手がどうの、逆ヨセがどうのと云ったって、相手が受ければ先手だし、手を抜いてお互いに連打すれば振り替わりだし、相手の態度次第で、呼び方が違うだけで、石の形だけで先手ヨセだ後手ヨセだといちいち面倒くせえんだと一笑に付されそうです。
AIを相手に、正直なところ5級に設定しても簡単に手を捻られてしまう吾輩です。ヨセくらいしか突っ込みどころがなくて、腹癒せにデータ集めの今日この頃です。
運よく探索対象に正解が入っている場合もある

偶数回は白番が入神の囲碁の十段。初手(253)は決まって「投了してもいいですか?」と打診から。投了は拒否しているので、多分半目負けでも、評価値が負けを確定していても、投了で逃げられない。どの候補手も評価値(勝率18%以下ではCPUがフル稼働しても正解を選べない。
あっという間に正解を含む枝が探索から消えた
どこに打っても負ける確率が高ければ最善手は見つからない
探索をやり直しても全部評価値が低くてなす術がない
CPUはフル回転冷却ファンもフル稼働状態
黒最強Zero九段手入れを惜しんで大差で敗北
284(1の十八)両コウ、ツギツギで白半目勝ちの形勢。295(13の二)無コウ、1手1目損。白1目半差に広がる。300(10の十四)下辺のだめが詰まって黒手入れが必須。305(16の十四)もうどこに打っても評価値は勝率20%以下。現実には正着の手入れでも、白1目半。100%負けが確定。正しい着手が選択できない状態なので、無駄な1手パスのダメを打った。
306(12の十四)は13の十八が正着だが、ダメ詰めから打って黒に手入れを促す。307(12の十三)何をか況や。自陣に手入れは1目減るのでAIはダメのゼロ目よりもさらに小さいと判断している。目先の大きさの比較だけで、先々の結果の大きさを比べないAIには攻め合いの結果も手入れも同じ負けにしか見えない。判断ができないのだから万事休す。下辺全滅の大差。
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(;GM[1]SZ[19]CA[Shift_JIS]
PB[木谷入神十段]BR[]
PW[高川最強九段]WR[]
DT[2021-06-22]
RE[]
KM[4.5]TM[]RU[JP]
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EV[5期本因坊R253から]
GN[]
CP[]
AP[Kiin Editor 1.11]
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para1002n(ぱら仙人)
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