すっかり味をしめてやめられなくなってしまった、怪獣ソフビのリペイント。
前回モッグスをリペイントしましたので、今回はもちろんこいつ――

「
宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン」の第27話に登場し、圧倒的なパワーによって
モルモット役の再生六大怪獣たちを足元にも寄せ付けない強さを発揮してみせた
シルバーロボ(当時の雑誌表記より)、こと怪物Xの出番です。
さて、まずは本編登場時の怪物Xから。

「シルバーロボ」の異名をとりつつも、その全身は鮮やかな白銀色というよりは
どこか色褪せて薄汚れ、錆びついて黒ずみ出してきた風合い……という印象。
「美食倶楽部」主宰の陶芸家氏であれば、「実に渋くていい風合い」であると
むしろ好意的に評価するような感じでしょうか(笑)?
ま、冗談はさておき。
だいたいの方向性が掴めてきたところで、おもむろに筆を取って塗り塗りです。

まずは全身に、シンナーでどぼどぼに薄めたウッドブラウンをくまなく塗付し
その後、ミドルストーンやダークアースなどを塗り重ねていくことによって
陰となる部分やハイライト部分などのメリハリを強調。
おおまかな塗りが終わりましたら、最後にシルバーでのドライブラシを施し、
目玉と牙、そしてボディ前部のプロテクターをそれぞれの色で塗り分けて出来上がり。
ただ単に銀色を塗るだけでは決して得られない、よりデリケートな質感を
意識して協調してみたつもりなのですが、いかがでしょうか?
さて、ここからは塗装終了後のプレイングタイム(笑)

造形の都合上、前部プロテクターがどうしても干渉してしまいますゆえ
腕部の可動時にせっかくの塗装が剥がれてしまう危険性が大きいので
これから真似しておやりになろうかという御奇特な方(笑)はご注意のほどを。
ま、ワタクシは気にせずガシガシ遊び倒すわけですが(笑)。

「他の怪獣を寄せ付けない圧倒的な強さ」という、シンプルかつ明快なキャラ立てで
当時から強いインパクトを有しつつ、その縫いぐるみは既存の怪獣(ダストマン)を
改造・流用したものである……という、「スペクトルマン」製作現場の困窮度を
まざまざと現在に伝えてくれる怪物X。
ですが個人的には、そんなシッチャカメッチャカな状況下にあっても
どうにか歯を食いしばり、あらん限りの工夫を凝らして作品を作り上げてみせる
当時のピープロ・スタッフ陣のド根性が、とても眩しく思えてならないのです。

ちなみに設定ではこのX、「スペクトルマンと同等の能力を持っている」そうですが……
う〜ん、それって目指す方向性としては正しいのでしょうかね?
いや、何しろ本編でのスペクトルマンの戦いぶりときたら(以下略)。

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