ワタクシことさいとうひとしをよく知る方にとりましては、
今更な話題ではございましょうが……
実はワタクシには、「
にっちもさっちもいかないキャラにハマってしまう」という
どうにも困った性癖がございまして。
そして、その性癖を遺憾なくフル稼働させてしまった(苦笑)典型例が、
今回ここにご紹介させていただく「NERV職員ミナコさん」の一件であります。
あれから早や10年、今となっては何とも微妙に懐かしかったりもする
1990年代後半の、あの怒涛のような「新世紀エヴァンゲリオン」のムーヴメント……
いわゆるヲタな趣味人のご他聞に漏れず、このワタクシもまた
少なからずそのビックウェーブを被ってしまった一人でございまして(笑)。
さて、時期はそれらの「エヴァ」ブームがジワジワと盛り上がってきつつあった
1996年の11月中旬あたりのこと――
さいとうひとし的「世間」におきましては、カーレンジャーが激走したり
ビーファイターが超重甲したり、復活したウルトラマンがX6だったり
闇生物が都知事に就任してみたり……と、いろいろな意味におきまして
現在へと至る「転機」が見え隠れしていたそんな時期。
このワタクシに対しまして、件の「エヴァンゲリオン」のエロ同人誌を
一緒に作ろうじゃないか、と不意に持ちかけてきた阿久悠……
もとい、悪友がいたのですよ。
半ば渋々、また半ば嬉々としてその申し出を受けたまではよかったのですが……
さて、それじゃあどんなエロいお話を書こうか、という段になって
ハタと困り果ててしまったのです。
いわゆる綾波レイだの、アスカ・ラングレーだのといった人気のキャラに対しましては
自分でも不思議なくらいに食指が動きませんでしたし、だいいちワタクシの
チンケな自負心が「メジャーな流れ」に阿ることを許してくれません(笑)。
どうしよう――と、しばし悶々としたその挙句。
最終的にワタクシが辿り着いた終着駅が、「エヴァ」の本編に登場するにはしたが
本筋には直接的に関わらず、それどころか具体的な台詞があったかどうかすら怪しい
「
その他大勢のモブキャラ」を題材にしよう、というものでした。
う〜ん、我ながら異常な発想ですねぇ(苦笑)。
……と言うわけで、そのモブキャラの名前を勝手に「
ミナコさん」と決め、
版権元のガイナックスも与り知らぬ脳内にて、どんどん勝手に
「メインキャラもかくや」という細かい設定を作り上げていったのが運の尽き。
どんどん自分の中で「ミナコさん」に対しての感情移入の度が深まり、
単なるモブキャラに対して過剰に思い入れる、という、アニメ・ファンダム史上
類例を見ないほどの異常事態の嵐(笑)が、松戸市二ツ木のアパートの一室にて
集中的に吹き荒れることとなったのです(笑)。
さて、そんなこんなで季節はめぐって1997年、春――
そう、「エヴァ」の最初の劇場版が公開され、話題を呼んだあの頃です。
アニメ誌において紹介されていたその「内容」を目にした瞬間、
ワタクシことさいとうひとしは愕然と致しました。
「戦略自衛隊、NERV本部に全面攻撃」!
「罪もないNERV職員、訳も判らぬまま皆殺し」!!
ウギャーッ!
いやぁ、もう愕然としましたねぇ――世の中の「普通の」エヴァ・フリークの皆さんとは
全く異なるおバカな文脈におきまして、ですが(笑)。
ああ、この世には神も仏もないものか!?
誰か、誰か俺のカワイコちゃんを、ミナコさんを助けてくれぇッ!
その夜、早速件の悪友にTELしました。
「ミナコさんが、ミナコさんが死んじゃったかもしれないんだよ。
あの可愛いミナコさんがさぁ!」
大声でわめき、取り乱すこのおバカちゃんに対して、電話線の向こうの悪友は
極めて冷淡な口調でこう言ったものです――
「 ミ ナ コ っ て 誰 だ よ ? 」
……ごもっとも(苦笑)。
……事程左様な次第ですので、ワタクシは今でも「一番好きなエヴァのキャラは?」と
質問された際には、自身を持ってこう答えます――
「NERV職員のミナコさんです」と(笑)。
で、こちらが愛する(笑)ミナコさん。
いかにも下町育ち、といった感じの、明るく溌剌とした気風のいいお嬢さん。
そして、
好物はメザシです(笑)。

2