“新たな刺客が送りこんできたロボット軍団。
傷つき、倒れた俺に聞こえてきた「声」が
ギンガを次のステージに導く!”
(『ウルトラマンギンガS』第3話・次回予告ナレーション)

内省的な前作の作品トーンから一点、ややストーリー進行の粗さも目立つものの
それすらも「元気一杯」というプラス要素に変えて、ぐいぐいと力強く邁進中である
ウルトラシリーズ最新作『
ウルトラマンギンガS』。

何しろ少ない話数のミニシリーズですから、寄り道などしている暇はないとばかりの
てきぱきしたテンポのよすぎる展開で、ギンガのバージョン・アップ形態にあたる
“ギンガストリウム”が早くも登場、ウルトラ6兄弟の力を自在に使いこなすという
その魅力的な設定と、更に拍車がかかった圧倒的パワーの強さにより、新登場した
ヒーローの魅力と、新発売のなりきり玩具「ストリウムブレス」のアピール(笑)を
充分すぎるほど充分にアピールしてくれました。

そしてヒーローの強化形態登場に、絶妙な花を添えた極悪メカ怪獣たちが……
キングジョー(カスタム)とインペライザー軍団というインパクト抜群の顔ぶれにより
更に激化の一途を辿るであろう今後の戦いに向けたギンガ・パワーアップの必然性に
台詞や文芸設定ではなく、視覚情報としてしっかりとした説得力を与えてくれました。
軽すぎず、かつ個性的なガッツ星人ボルストのキャラ造形の匙加減の巧みさも含め
正攻法のヒーロー活劇を志向するというスタッフ・キャスト陣全員の意思が明確で
それだけに、その迷いのなさが実に気持ちの良い『ギンガS』。
これからも迷いなく、どこまでもまっすぐに突き抜けていって欲しいものです。

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