リリース開始当初の、海外輸出を意識したと思しき独特の劇画的デフォルメから
次第に映像作品における怪獣たちのイメージを忠実に捉えた「リアル志向」へと
造形の方向性をシフトさせていき、結果として現在の目で見てもなお遜色ない
傑作・佳作アイテムが続出したポピーの“キングザウルスシリーズ”ソフビ群。

そんな“キングザウルス”の最後期商品、1980年の『ウルトラマン80』本放映に
歩調を合わせてリリースされた、『80』登場怪獣8体の怪獣ソフビのひとつが
こちらの“
UFO怪獣・アブドラールス”君。

去る2007年末に入手し、既にリペイントも施していたこのソフビではありますが
この度また、不意にムラムラ来て(笑)しまいましたので、内よりこみあげてくる
欲望に身を任せて、ここから更なる上塗りへと雪崩れ込んじゃいます。
で、塗りあがりましたのがコチラ!

『80』第6話における出番がかなり暗めのナイトシーン・オンリーなこともあって
正確な体色がいまいち判然としなかったため、最初にリペイントを施した際には
画面から受けたイメージ最優先で、ほぼ真っ黒に塗り上げた本ソフビ。

……なのですが、その後に東宝ビルトの屋外で白昼下に撮影されたスチールを
目にする機会がありまして、アブドラールスの縫いぐるみの本来のカラーリングを
ここでようやく知ることが出来た、という次第。

以前の真っ黒リペイントも、それはそれで割と気に入ってはいたのですが……
せっかくだからということで、この度その上から重ね塗りの再リペイント。
同じソフビで二度も楽しんでしまう、お財布に優しい倹約仕様でもあります(笑)。

で、その際にもやはり、以前の塗装面を完全に塗りつぶしてしまうのではなくて
「下地」として活かしながら、半ば上塗りの下から透けさせる感じで塗り進めると
以前の塗装と今回の塗装との相乗効果で、色彩に意外な奥行きとコクが生じて
いろんな意味で「美味しい」のではないかと思います。

以上、今回は「キングザウルス」版アブドラールスの再リペイントの巻でした。
こうして再度の塗りを重ねてみて、改めて気付かされる「キングザウルス」製品の
怪獣ソフビとしてのクオリティの高さ……
ああ、何だかまた「キングザウルス」収集熱が再燃しそうな感じです(笑)。

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