一進一退、お互いに相譲らぬ華麗な攻防を繰り広げていた
ティグリース型神姫・モラッタとチャン・クワン。
その技の交錯に、観客の誰もが目を奪われていたその時――
「くふふふ……茶番は、もうおしまいでぇす!」
「危ないっ!……クワン、逃げてっ!」
いち早く異変に気づいたマギーが叫ぶが、時すでに遅し。
バシュウウウーッ!
「ちょ、クレタ、おまっ……!!」
「う、うそでしょおぉっ……!?」

おお、何と言うことだろう?
不意に放たれた大型砲からの一閃が、交戦中だったモラッタとチャン・クワンを
まとめて吹き飛ばしてしまったではないか!
「あ〜、ごめんあさぁ〜い……あの、大丈夫ですか〜?」

「ふぇぇん、私ったら……また、やっちゃいましたぁ〜。
……な〜んちゃって☆」
マギー「あんた……まさか、わざと……!?」
「くふふ、ぜぇ〜んぶ想定の範囲内でぇす☆」
●ウィトゥルース型神姫・クレタ(MMS TYPE/CALF)
相方のティグリース型神姫・モラッタとコンビを組む丑型MMS。
普段はおっとりとした舌足らずの口調で話し、温厚、かつやや愚鈍な印象があるが、
それはすべて、彼女本来の怜悧な頭脳と判断力を隠し、相手の油断を誘うための
“擬態”に過ぎない。
単純なモラッタを上手くコントロールし、自らの思惑どおり着実に戦略を進める
「丑寅タッグチーム」の実質的な司令塔、にして中枢部。
目的のためならば手段を選ばない作戦家で、“チームとしての勝利”のためならば
時として相方のモラッタをも「捨て駒」として切り捨て、砲撃の巻き添えにする事さえ
いささかの躊躇もなくやってのける。
(なお、こうしたクレタの行動に関してはモラッタも容認の上のことであり、
クレタもまた、そんなモラッタに対しての全面的な信頼、という裏づけがあってこそ
そういった行動に出ることができるのだ――ということを、クレタ、モラッタらの
双方の名誉のため、特に付け加えておく次第である)

下半身の浮遊ユニットにより、通常の空中飛行能力型神姫たちとは異なる
「次の移動先を先読みさせない」トリッキーな軌道を描いての飛行が可能。
また、「近接専用の武器を放棄して、射撃戦に特化した」ウィトゥルース型には珍しく
両手のハンドガンの銃把をも武器に見立て(いわゆるガン=カタ的な)ることで
近接格闘戦においても器用に対応してみせる巧者ぶりも発揮する。
「くっ、何が丑型ウィトゥルースよ……とんだタヌキじゃない!」
「おだてないで下さい、照れちゃいます☆」

大胆不敵にして冷静沈着、さながらマギーのお株を奪わんばかりのクレタ。
チャン・クワンが倒れ、残ったマギーに勝機はあるか!?

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