2012/2/28

ゆうばりで見た映画:「先生を流産させる会」  映画
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「先生を流産させる会」監督 内藤瑛亮

まさかこの映画がコンペ部門に出品されているとは。本作はすでに去年から知る人ぞ知るの超話題作で、とっくに「そういう段階」は超えていると思っていたんですが。ちなみに、コンペでは無冠に終わりましたが、これは審査員もそのように判断したからだ、と思っています。

で、映画の感想の前に、まず、タイトルについて。実に恐ろしいタイトルですよね、これは。
「流産」というコトバの持つ禍々しさは、数ある日本語の中でも特別でしょう。未来や希望と最も遠い所にある、呪詛そのもののような言葉。福田は「霊魂」は信じませんが「言霊」(ことだま)はあると考える人間なので、個人的には、この言葉をタイトルに使う事に関して賛成か反対かと問われれば、正直、反対です。この映画を見たあと内藤監督とお話させていただいて、なぜこの「流産」という言葉がタイトルに必要であると監督が考えているかは、よく分かりました。これは実話に基づく映画であり、「先生を流産させる会」は実在した。だからそのまま、それをタイトルに使った。全くもって自然で健全な考え方です。実際、映画を見た後は、以前よりもこのタイトルに抵抗感がなくなったのも事実です。
しかし、単純な話、普通は、このタイトルはこの映画の為に新たにつけられたもの、と考えられてしまうでしょう。そうなると、このタイトルの持つ禍々しさがこの素晴らしい映画の観客の数を著しく減らしうる事は、おそらく間違いないと思います。そしてそれは、明らかに憂慮すべき事態である、と思うのですがいかがでしょう。もちろんこれは、「表現の自由」という問題とは全く別の次元に属する問題であり、単純に、映画のプロモーションにおける訴求力の問題です。

とまあ、それはさておき。
この映画は本当に凄い
ごくごく普通の女子中学生5人組が、担任の女性教師の妊娠を知る。「妊娠とかってキモイよね」というだけの合意に従って、彼女たちは「先生を流産させる会」を結成、女性教師にあの手この手の「攻撃」を仕掛け始める・・・・実話に基いて構築されたこのシナリオは、思春期の、生命と、今生きている実感に対する凄まじい嫌悪と疑念を驚くほど鮮烈に描き出しています。特に、主人公(と言うべきなのかなあ)を演じた少女の、世界に対する拒絶感、虚無感がリアルすぎて痛い。そして「大人」は、その「こどもたち」の絶望的な空漠感とどう対峙すべきか、がこの映画のテーマ。言うまでもなく、刺激だけが売りの安手のホラー映画では全くありません。
驚くべきは、映画の完成度の高さ。シナリオ、撮影、編集、演出、全てが素晴らしい。音楽もよかった。20代中盤でこんな「完璧な」作品が撮れてしまう才能というのは一体何なんだろう。ちょっと呆然としつつ、かつてのスピルバーグやポール・トーマス・アンダーソンやポンジュノに楽々と比肩しうる才能なのではないか、と、真剣に考えてます。いやいや、決して大げさではなく。
とにかく、マジやべえよ、この映画!
必見中の必見中の必見。

内藤瑛亮監督の今後の作品に猛烈に期待します。

2012/3/14  1:58

投稿者:同じ苗字デス
じぇったいじぇったい見ます!!!
こういう作品、めちゃめちゃそそられる〜・・・
最近、こういう感じの作品を察知することがなくて、
アカデミー賞にノミネートされた話題作も、なんか針が触れず・・・

少し前に「灼熱の魂」を観に行きましたが、ビミョーに外れまして。。。
fukuda氏の「マジやべえ」御墨付きのこの映画で、久々にガーーーンと全身に衝撃を受けたいッス(>_<)

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