2005/11/4

晩秋のオコタンペ湖  雑感

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 目の前にあるのに心が他の何かに捕らわれているのではないか..その自問を乗せ、日常の雑事を投げ出して郊外に車を走らせてみました。

 もう紅葉を楽しむには遅すぎるだろうと思いつつも支笏湖方面に向かいました。紅葉の残りを見つけるというちょっとした楽しみが出来ました。周囲全体に紅葉があるときには出来ない楽しみです。葉を落としてしまった樹木の中に美しい木の実や深紅のモミジを見つけるのは嬉しいものです。

 風がほとんどなく、柔らかな光と森の中の不思議な空気と一緒に甘い楓の香りが漂う世界はまさに別世界でした。身体の中に、森の精がやってきて解きほぐしてくれるのが肌で感じられました。

 冬を前に山を下りてくるカケスのカップルや小鳥の姿も見えました。気が向いたところで止まっては、木々の間を散歩する..しなければならないことから離れて、ただそこにいることで満たされる時間は、やはり必要なものでした。

 言葉や文字や価値観によって自分を動かそうとするのではなく、ただそこにいることで満たされるものがある。それを改めて感じられる一日になりました。

 雄大な支笏湖から少し離れて期待のオコタンペ湖に向かいました。そこに待っていたのは思いがけない大自然のプレゼントでした。何度となく訪れたその湖は、今まで見せたことの無い静けさと落ち着きを漂わせていました。秋と冬の間で出会った、時間のない秘密の世界に触れたような気がしました。

 風が止まっている..空気というものが私たちを包み込んでいてくれる..それは単なる空気ではなく、不思議な暖かさや穏やかさに満ちている。殊更な主張をすることなく、山奥に佇む湖が、これまでとは違う、新しい流れを指し示すために招きよせてくれたのではないか..密かな心の変化を予感させてくれる時間でした。

 一本だけ持っていったポプラフルート。湖を見下ろしながらほんの少し吹いたのですが、音色と景色が見事に同化していく感覚は新たな驚きとなり、感動と喜びが湧いてきました。全体を包み込む柔らかな空気とポプラフルートの音色は最初から一緒だったんだよと囁いてるようでした。

 同行者が数名いましたので、じっくりと自分の好きな空間にとどまるという贅沢は出来ませんでしたが、それぞれが自分の必要を満たしている姿もまたほほえましく感じました。

 数時間のちょい旅が、通り過ぎてきたあれこれと、これから待ち受けていることを受け止める心の助けになりました。

 真冬は閉鎖されてしまうオコタンペ湖への山道。まだ暫くは通行可能です。

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