2007/2/17

プレートの厚み  ラブフルート

 今年になって、ラブフルートに使用している真鍮のプレートの厚さを0.3mm増やしたものを製作しはじめています。変形しにくくと思って選択した素材でした。ところが、この0.3mmが加工の面では苦戦そ強いられるものになりました。数字にすればさしたるものではないようですが、実際に加工するとなると随分と違います。

 厚みのあるものを使用すればしっかりとしたものにはなるのですが、仕上げるまでの時間が予想以上にかかってしまいます。さらに、これまでの厚みとの微妙な違いが音色の変化を生み出し、バードの形状も微妙に変えざるを得なくなりました。様々な側面から、新しい試みをはじめなくてはなりません。

 プレートに厚みがあるということは、吹き込まれるブレスの量が増えることになりますから、ふーっと息を吸い取られるような感覚が出てきます。逆にいえば、プレートが薄いと、少し詰まった感じになるともいえます。厚みが増すと、音色は比較的柔らかく、音量が出ることになります。但し、高音域の切れがなくなり、ぼやけた印象になります。これからは樹種や切り出された樹木の細胞、響き具合に合わせてより木の声を生かせるプレートの選択という要素が加わることになりそうです。

 音程はブレスとバード形状とポジショニングのバランスで生まれてきますから、同じフルートでプレートを付け替えて雰囲気の違う響きを楽しむことはできますが、音程の正確さを保持することは難しくなります。アンサンブルを楽しむ時は、音程の安定したプレートを使用し、個人的に楽しむときは少し柔らかめでシャープさを軽くした印象で吹くという選択が可能です。勿論、その逆も可能です。演奏ではやわらかめで、個人的な時間にはシャープな印象の音色を楽しむのです。

 プレートの厚さを変えることで生まれる変化は微妙です。しかし、それは随分と心理的な部分に影響するともいえます。やや絞り込んで、比較的はっきりした発音になる薄めのプレート。やや開放された感覚で、やわらかめの発音になる厚めのプレート。正確な音程にこだわらなければ、一本のフルートで違った感覚を楽しむことができます。ちょっとおしゃれに、場に合わせたり、音の流れに合わせてプレートを付け替えるという楽しみ方が出来ます。。

 もう少し別なバリエーションとしては、プレートなしで吹くためのバードや響き方の違うバードをオプションで楽しむこともできます。音程の正確さを必要とする場合は、調整に時間がかかることもありますが、正確さを必要としなければ比較的容易に組み合わせることができます。

 フルート製作のポイントは、単に本体の樹種やデザインではなく、どんな音色を良いと感じ響かせるかなのだという点を多少なりともご理解いただければと思ってます。今回の内容が、より緊密に内面とのつながりをもつマイフルートを手にする参考になれば幸いです。
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