2007/9/26

笛・歯・梨  雑感

 冷たい雨と高い空。色づく木々。とりわけナナカマドの実の鮮やかさが目立ちます。どうやら一気に秋が深まり、大雪山に初冠雪との情報が届きましたから、間もなく冬の兆しを肌で感じるようになってくることでしょう。

 そうなると恵み野のトンネルスペースでの練習は厳しくなってきます。指が冷たくなり、体が冷え切ってしまい今までのように数時間吹き続けることは難しくなり、1時間もすれば中断する時期になってきます。

 思い返せば、昨年、最後の練習をしていたときに出会ったTさんが、ラブフルートを手にされて丸一年になろうとしています。Tさんはラブフルートを手にされてから地道に休みなくレッスンに通われ、今では吹き始めた当時とはまったく違った音色が生まれています。およそ笛を吹くことなど思いもよらなかったのに、今は間違いなく笛を奏でています。信じられないという娘さんに、フルートの画像を送信し、ほんとうなんだ!と驚かれたと話しておられました。やがて歯科医療関係の娘さんから、笛を吹くと唾液の分泌が良くなり、唾液の成分に老化を予防する物質が含まれているから、是非続けるようにと連絡があったとのことでした。

 その娘さんからナシが届いたのでおすそ分けですと訪ねて来られたTさん。それをきっかけに、初めて出会った恵み野キャニオンでのレッスンをする事になりました。そこでTさんは、自分の呼吸から生まれた響きに繋がりながら次の流れに向かうという感覚を少し感じられたようでした。レッスンのたびに伝え続けてきたことを体で感じるきっかけが出来たのです。次のレッスンのときには明らかに吹き方の変化がありました。

 そこに生み出されている響きが自分と木の笛との繋がりの中で生まれていることに気付く。何事かを作り上げようとする意識から、自分自身と触れる瞬間の豊かさに気付く。私が続けているレッスンは、そのことに気付くきっかけといっても良いかもしれません。

 音色の根源に触れ、その繋がりが次のプロセスへと向かう。この循環の中に、力や静けさや喜び、或いは生かされていることへの信頼が伴ってくることに気付く。自分の心が立つべき場所を知る。これは到達点ではなく、始まりであり、その始まりが全体を包み込む..。

 少し難しそうで堅苦しい表現ですが、それをじっくり咀嚼することがレッスンの土台です。自分がどんな価値観や意図を持っていたとしても、その音色に現れるのはあくまでも魂の実質のような気がしますから、自分の実質に触れ、自分で答えて行くという貴重な時間と空間の共有レッスンになるというわけです。

 何事かを主張し、特定の価値観を示そうとすれば、そういう響きが生まれます。何かを模倣すれば模倣しているという状態が伝わってきます。成し遂げようとする意識があれば、そういう響きになります。自らの巧みさに満足していれば、その状態が響いてきます。そんな自分に気付き始める..それが一つの入り口かもしれません。

 その人自身が与えられている存在そのものが持つ輝き、尊厳に触れる。価値観や言葉や経験や認識を取り払ったときに現れる原初的なもの。それを見失いやすい世界に、密かな知恵として手渡される愛の笛。その真意を知り分かち合う雫が小さな輪を描きゆっくりと広がっているようです。

 歯科医療関連といえば、医科歯科大大学院のTさんの音色をまた聴いて見たいです。つい最近来られたTさんは歯科技工士さん。Tさんはポプラのフルートを選ばれました。笛吹き患者はたくさんいるでしょうから、ラブフルートリングがちょっとした歯科関連ラブフルートリングになってきたようです..。

 いただいたナシはとてもみずみずしく、この秋初めてのナシになりました..。一個のナシを戴くまでの旅路を思い描きながら味わうと美味しさもありがたさも増えるものですね..。
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2007/10/1  22:12

投稿者:SHO

Alpacaさん。
今年の秋は幾つナシを食べられるのでしょうね〜ブドウやカキやクリたちも待ってますからね!コメントありがとう!

2007/9/26  11:43

投稿者:Alpaca

笛の写真も美しいですね。
ナシ大好きです♪

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