2009/3/7

そこに響いているもの  ラブフルート

 再生音について考え続けています。一般的な環境では生音を直接聴く以外は、何らかの媒体を通した音の響きを感じ取ることがほとんだと思います。いつしか、それが当たり前になっているのですが、録音されたものを聴くことが可能になる以前、ラジオのスピーカーを通したものが中心だったのかとも思います。それ以外の音楽は、生そのものを聴く以外になかったのかもしれません。だとすると、音楽はとても貴重で、特別な意味合いを持っていたのかもしれません。

 学校で音楽を習ったことなどないという高齢の方々のお話をお聞きしながら、ラブフルートのレッスンを続けているのですが、考えてみたらフルートを吹いてみようとしておられるだけでも、凄いな〜と思います。楽譜なんか分からないという方々が、自分なりの音の流れや響きを楽しんでおられる姿を見ていると、自分とは違う感覚で笛を吹いておられるのだろうと思います。自分は、そういう方々の音の響きを聴くのをとても楽しみにしています。

 再生されたり電波を通してスピーカーで再現される音は、明らかに作られたものと言えるでしょう。どんなに素晴らしいアンプやスピーカーがあったとしても、それは再生音であり、響きを作り出す人の価値観の表現になるわけです。個人的には4〜5種類のアンプやスピーカーでCDなどを聴いているのですが、媒体によって、CDなどの響きは全く違った印象になります。一体、どの音響で聴けば良いのだろうかと戸惑うことが多いですし、多様な音の世界を考えればすべてにマッチする媒体はないのでしょう。そこには、実際の音の響きとは別の世界、新たな響きの価値観が生まれているといえるでしょう。音の意味、響きの感じ方、それは音をまとめて再現する方々の感性にゆだねられているともいえるでしょう。

 ライブなどで音響設備を使う時にも同じようなことが起こるわけです。持ち込んだ音響で慣れているライブも、違う音響になると随分違った響きになりますので、少なからず違和感があるものです。さらに言えば、聴いている人と演奏している自分との間にも、当然のように響きの違いが起こってるわけです。ステレオとモノラルによっても、勿論音の意味は変化する訳です。ライブを終えて、生音で聴いてみたいとおっしゃる方も少なからずおられます。

 とはいうものの、自分自身は幼児期から完全に右耳が聞こえないまま旅してきたので、ステレオという感覚を体験できてはいません。もし両方の耳で音の響きを感じたとしたら、どんなだろう...と時折思うこともあります。

 かつて、亡き母にウォークマンをプレゼントしたとき、頭の中心で音が響いていると聞かされ、まったく想像できない自分がいました。音に関する強いコンプレックスがあったのでしょう。音楽に関わることを続けていたのにオーディオもレコードもないまま長く過ごしていました。

 音楽に関わる活動をしているのですが、どういうスタンスで進んでいくのが良いかじっくり考えて残りの人生時間を過ごしてみたいと思っています。いろんな方々に音のことを教えていただきながら、一本のラブフルートを携えてもう少し旅を続けてみようと思っています。
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