2010/2/18

音色と光  雑感

 小さなスペースにステンドグラスの一部が取り付けられました。それは小さな空間のイメージを一気に変えてしまうものになりました。

 かなり昔のことですが、予算が乏しいということで二種類のステンドグラスのデザインを手がけたことがありました。

 ダルドベールという厚みのあるステンドを使ったものでしたが、ガラスと自分との繋がりを考えるための時間を随分費やしました。さらにスケッチのために半年。束になったスケッチノートからの選択が始まり、さらにスケッチを繰り返し、ようやく色彩と配置の全体像がまとまりました。四季を巡る太陽の動きとの関係をじっくり見つめる時間が貴重でした。

 今回は、自分の中にあるイメージを言葉にして伝え、それをステンド作家のI氏http://www.st-glass.jp/の手にゆだねるという形になりました。なんでも自分でやるという時期は終わり、繋がりの中で生み出されるものを受け取り、楽しむ時期に入り、ステンドの感じ方も変化しているように思います。

 音色と光。何故音に色という言葉が使われるのか。そのあたりの秘密めいたものをじっくり見つめていくのは楽しみです。子供の頃、セロハン紙を通して景色を見たときの不思議な感覚。色の持つ不思議さは、そのあたりの体験から始まっていたのかもしれません。

 表面がゆらめいていた昔の板ガラスの窓の記憶に色彩の世界が加わって、それが光の変化とともに心の中に飛び込んでくる...。透明感の不思議さも、楽しいのですが、光を透過しながらも色彩がある世界。そこには、予測できないメッセージがあるように思います。

 音が流れ、二度と再現できない時の中の美しさとの繋がり。そのはかなさと美しさが、人生の本質と繋がっている...。ステンドグラスは、単なる色ガラスではなく、巡りゆく太陽の光、時の流れの中で限りなく変化し続ける世界を見せてくれます。

 ここには音の世界と光の世界の融合があり、いつしか自分自身の本質もまたそれらと繋がっていることに気づかせてくれる。言葉のやりとりではたどり着けない世界。言葉にならない思いの中にこそ輝くものがある。

 一人ひとりの人生のスペースに、どんな色彩と音色と光が届けられているのか..。それを象徴する空間になればいいかな...と思っています。
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