2005/10/22

愛の笛  ラブフルート

「愛の笛」ポール・ゴーブル/文・絵  北山耕平・訳 河出書房新社
 
 絵本に関する記述が続いたので、その流れのまま「愛の笛」という絵本について書いてみようと思います。ラブフルートと出会って間もなく、この絵本のことを知りました。小さな絵本屋「ひだまり」さんに問い合わせたところ絶版で入手できませんとの返答でした。どこかで在庫が無いかと書店巡りをしていたところようやく見つかりました!しかも、追加オーダー可能でした。

 どういう状況なのか分からないまま、これまでに50冊ほど注文してラブフルートを求められた方々を中心にお渡ししてきました。
 このままフルートが旅立つぶんだけは絵本もなくならないのではないか..そんな気がしてきます。1993年のクリスマスに初版が出ていますから12年が過ぎていることになります。 
 
この絵本の序文には次のように記されています。
 
 アメリカ・インディアンの人たちの用いるフルートは「愛の笛」とも「求婚の縦笛」とも呼ばれます。その昔、ひとびとがまだ伝統的な暮らしをしていたころには、縦笛を吹くのは男性ときめられていました。求婚以外の目的で縦笛が奏でられることはまずなく、したがってこれを演奏するのは多くの場合青年たちとかぎられていたわけですが、なかには自分の妻のためにセレナーデを奏でる人たちもいたようです。男たちは死ぬと自分の縦笛と一緒に葬られると、記録にはあります。
「愛の笛」●はじめに●より抜粋

 ●はじめに●の後半にも興味深い一文がありますので、この機会に掲載したいと思います。

 このラブフルートが、どのようにしてひとびとのもとにもたらされたのかについては、時も場所も異なるいくつかの神話が、聖なる物語として、残されています。いつの時代においても、恋人同士がひかれあい、ひとつに結ばれるためには、なにか超自然的な力の助けが必要なのですね!この本のもとになっているのもそうした物語のひとつです。(中略)愛の縦笛ラブ・フルートは、へらじか一族よりもたらされました。へらじかの雄は威風堂々としていて礼儀をわきまえており、雌たちから慕われていることを、ひとびとは知っていたのです。どうせならへらじかのように立派な人間になって、愛する女性の心を射止めてみたいものだと、男性なら誰しもが考えます。愛の縦笛を手にしながら、彼は自分を突き動かす不思議なものと、美しい愛と、相手を激しく求める性的な力とを感じ、それを音で表現しました。縦笛はへらじか一族よりもたらされたものであるにもかかわらず、そこから流れ出す調べには、すべての生きているものたちの力が込められています。だからこそ、誰かが自分の愛するものを呼び寄せて新たなる生命を作り出そうと縦笛を奏でることは、すべてを創りたもうものの一部として、それをしていることになるのです。
「愛の笛」●はじめに●より抜粋

 少し長い引用ですが、中心的なメッセージと考えて掲載してみました。現状では男性が女性に向けて吹くと言うより、女性たちが自分自身の思いを見詰めるために吹いていることが多いかと思います。
 
 伝統が変わりつつあるというよりも、新しい時代にふさわしい愛の笛の伝説が生まれ始めているように思います。価値観の変化と共に、男性であること、女性であることの意味も変化しているのでしょう。大切なのは愛によって繋がることであって、どちらが愛の笛を吹くかは二次的な要素かなとも思います。

 愛の笛が一時的な流行になって、あちこちで若者がラブ・フルートを吹きまくるなどということにもなりかねない時代ですから、むしろ心を大切にしたいと思う女性たちが笛を奏で、それを耳にした男性が自己に目覚めるというのが良いのかもしれません。
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2005/10/22  23:21

投稿者:きた竹

ラブフルートの由来につながる話のようですね。

インディアンフルート、言いかえてネイティブアメリカンフルート共に放送禁止用語ではないようですが公での使用が制限されている現状があります。

このような状況で笛を製作して普及させていくことの困難さが思い浮かびます。
きっと「愛の笛」ポール・ゴーブル/文・絵北山耕平・訳 の中に答えがあるのでしょうね。

時々訪問させていただきます。

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