早々と葉を落とした梢に、ぽつりぽつりと生っているのは花梨(カリン)の実です。
実物は、けっこう大きくて、梨や林檎ほどの大きさ。
色のほうは、まだ熟していないということで緑色でした。
あと1ヶ月もたつと、梨のような茶色に変わります。
花梨というと、一般の人にはのど飴の花梨で知られていると思うんだ。
一方、建築にたずさわる人にとって、花梨といえば銘木(めいぼく)のこと。
銘木というのは、普通に柱や梁みたいな部位に使われる材木じゃなくて、見栄えが求められるような部位に使われる材木。
具体的にいうと、床の間周りや高級家具なんかに使われる材木のことで、紫檀(シタン)、黒檀(コクタン)、マホガニーなどなどが銘木です。
あと、身近なところで、花梨材のフローリングなんてのもあるね。
で、のど飴の花梨と銘木の花梨は、漢字も同じだし読み方も同じ。
それじゃ同じものなのかというと、まったくの別物。
のど飴のほうは、林檎や梨なんかと同じでバラ科の植物。
銘木のほうは、東南アジアあたりで育つマメ科の植物でした。
もちろん写真の花梨は、のど飴のほうです。

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