2006/3/28

『中世の聖と俗』  お勧めの1冊

ハンス=ヴェルナー・ゲッツ著、「中世ヨーロッパ万華鏡」シリーズ、八坂書房 2004年初版。ドイツの放送局の番組をベースにした本でカラー図版も沢山ありとても判り易い。

1章は「中世の結婚と家族」2章は「主の学校と共住生活」←修道院のこと。史料となっているのはともに修道院に保存された記録。前章ではあのサン・ジェルマン・デ・プレ修道院の荘園帳、後者はこれまたあのザンクト・ガレン修道院の年代記。これらの記録はあちこちで本当によく出て来ます。やはり当代最高級の史料だということが判ります。

著者は修道院について「俗世界との深い関わり合いを持っていた」との意見で今日の通説に従う記載。著者は以下のように述べ『天使のような修道士達』を書いたルドー・J・R・ミリスとは異なる立場。
『聖なるものと俗なるものを意図的に密接に結びつけることは、中世を通じたメンタリティーの特徴だった』p133

この本に納められている図版の中には修道院内で写筆が修道士のみならず俗人によってもなされているのをはっきりと現すものがあります。(図11)p127 これは『ハインリッヒ三世(AD1039-40)の典礼用福音書=ブレーメン聖書』 既にこの時代に写筆の職人がいたのが判る。 また後半2章はそれぞれ3;中世の生死観と4;中世における悪魔の認識と役割。 内容自体に特に目新しい事はない。

この本の中で著者は、

『中世の人間の目には世界は善き霊と悪しき霊に支配されているように映った。P248 としつつ、同時に、『悪魔物語が教育的な目的を果たすばかりか、独自の意図、あるいは敵を中傷する為の政治的な意図で悪魔が利用されることもごく普通に行われた』とし、『・・ここに中世のメンタリティーの特徴を示すことになる』と述べています。 p251
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