2008/9/24

『もうひとつの中世のために』  お勧めの1冊

ジャック・ル・ゴフ著、白水社、2006年初版 副題は「西洋における時間、労働、そして文化」とある。

最初の章でル・ゴフはミシュレの中世を描く、彼の複数の中世を。p43

ミシュレと言えば私は『魔女』しか知らなかった。彼の精神状況にあわせるように彼は3、4つの中世を描いたとル・ゴフは述べる。 「魔女」は彼の晩年、失望と嫌悪、幻滅のさなかに書かれたらしい。p22 そういえばそうかもしれない。

ル・ゴフの筆は、しかし余りにも詩的で、具体性を好む私にとっては読み辛い。彼はミシュレの歴史を賛美しながらも、現代の歴史学がより数字を駆使し、計算・測定するものであることを述べ、またそうでなければならないとも言う。p44

私にはこの文章を読みながら同じフランスの歴史家であるE. Toddを思い浮かべた。
http://diary.jp.aol.com/applet/salsa2001/15/trackback

彼の数字と地図を駆使し、1片の美術品も建築物も出てこない著書には最初激しい抵抗があったが、今では彼のファンとなってしまっている。ただし、この本の原著は1977年でToddの登場より早いので彼がToddを思い浮かべたわけではなさそう。

2章では「時間」が話題になっている。教会の「鐘」から機械仕掛けの「時計」が生まれたのは14世紀前半だとする。しかしこれは単に技術的な変化だけではない。その裏に時間に関する価値観、世界観の変化だとする。それは聖職者の時間から商人の時間への変化でもある。p58

また、彼は同じ14世紀にフランスが生まれたとも言う。p30
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