2006/9/25

『コロンブスからカストロまで』6  お勧めの1冊

最後の数章、カストロ革命までのカリブ現代史は理解できたとはとても言えませんが、しかし、ここは焦らないことが肝要でしょう。興味が続く限り勉強すればやがて理解出来るようになるはず。それはかつて沿岸戦争の時に、にわか勉強したイスラーム史で経験済み。

著者は厳しくキューバ革命を総括します。しかしその革命に対してはあくまでも良き理解者でしょう。彼は、 『(キューバの)共産主義は革命の原因ではなく結果だ』とする。私もこれには同感。 アメリカと言う国は、裏庭のカリブ海域ではどうも「建国の理念と理想」を簡単に忘れてしまうようです。この著者もまた多くのラテンアメリカの歴史家と同様、合衆国に対しては極めて厳しい。 彼は述べる、 『…革命で生まれた国家(アメリカ合衆国)が、その裏庭とも言うべき地位にある諸国(中米)に対しては、一貫して反革命の立場をとるという、見事なパラドックスをみる』p296  一方、合衆国に自ら組み込まれていったプエルトリコに対しては、その経済・社会問題を自ら解決する機会を失ったと述べ、続けて 『…たとえ全世界を得たとしても、自らの魂をなくしてしまった国は、それで利益を得たなどと言う事が出来ようか?』 と厳しい。P301

さて、では現在、プエルトリコは自らの魂を完全に失っているか?というと事はそう簡単でもないと思います。それはNYサルサの流行などに象徴されると私は考えています。   …それとも、アメリカ自身が内なる異分子により変貌を遂げ始めたからによるものなのか? ハンチントンはそのことを『分断されるアメリカ』として著わしたのですが… それにしても、1937年にプエルトリコで民族主義者が蜂起し大量に彼らが殺戮されて以来、かの地での独立派は少数となり1952年に合衆国の自治領となったとか。p246 つい最近?のことのようで驚き。

因にこの本のオリジナル版は1970年、四半世紀前に出版されたのですが、今もって輝きを失っていないですね。 歴史書というものが他の分野のものと本質的に異なる価値を何処かに持っていることを感じる書ですね、羨ましい限り。 スペインの歴史家、サンチェス・アルボルノスの言葉を思いだします。

『すべての歴史の専門書は、その修正を享受し、またそれに苦しむものである。 歴史が永遠の生成と死ー新たな生を与える死ーの学問である以上、それに似せて、それにかたどられて生まれた実りも、同様の輪郭を持っているのである…』URL↓
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