2007/1/25

『図説 快楽の中世史』  お勧めの1冊

ジャン・ヴェルドン著、原書房、1997年初版。図説シリーズの1巻。別の1巻に読んだことがあるものがある。図説と名付けられているように沢山の挿絵があり飽きない。特にこの巻は「快楽」とあって俗受けもするのではないか? ところで、p38にこのような記載がある。

『…一目惚れは文学上の技巧ではない。パミエの司教ジャック・フルニエの「異端審問録」にはそれを裏付ける証拠があがっている…』

これは当時の中世文学、例えば『薔薇物語』などにしばしば「一目惚れ」ということが記載されていることについてことだが、実はこのパミエの司教ジャック・フルニエ、以前読んだ『モンタイユー』の中心人物である。 ここで指摘されている『異端審問録』はその後フルニエが法王にまで昇進したことで、法王庁に残され、700年後の現代に日の目をみることになる。 

当時の貴族や聖職者の生活は様々な記録に残されている場合があるが、庶民の、しかも下層階級の人々の生活がかいま見られる。 非常に興味深く、貴重な記録。このblogでも数回にわたって紹介したが名著である。 著者の本は他にも2冊程読んだが、これを越えることはない。

『モンタイユー』
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…それにしても、こんなところで出てくると旧友に出会ったようで嬉しい。

以前、『モンタイユー』の読後感にこんなことを書いている。

『歴史解釈は現代の我々の世界の反映でもあるわけで… 実は古代や中世を学んでいるようで歴史が問題にしているのは『現代』なのだという事を我々は実感する』

その思いは今でも変わらない。
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