2018/2/20

『人類のやっかいな遺産』7  お勧めの1冊

『定員割れ私大』
今回は今後のデーターとしてメモのみ。

月曜の夜、BSフジプライムニュースの話題は『定員割れ私大の生き残り』。来月に大学を去る者だが、つい観てしまう。

都市大規模大学は9割が黒字。地方の中小大学は5割(48%)が赤字。 若者の数が減っているのに大学の特に私大が増えている。大学進学競争率は半分までになっている。ちなみに進学率は52.6%。

学生の半分は大都市の大規模私大で学んでいる。4割の大学が定員割れ。ところが、大学行くか行かないで生涯給与が7500万円の違いが出ているので進学志向は依然として強い。大学の許認可権は文科省が握っている。

元東大総長の小宮山氏曰く、『1/3高校卒、1/3社会人、1/3外国人となると大学に対し批判的眼を持つ。高校卒だけの大学生では批判する能力はない』。

小宮山氏曰く、『大学を分類するな。世界トップクラスの大学、地方のニーズに応じる大学、専門分野に秀でた大学にわけて重点支援するのが政策に対しての批判』

財政: 私立は7割が学生からの授業料。政府からが13%。国立の運営費の6割は政府からの支援。学生からは17.6% 定員充足率が50%以下だと交付金なし。交付金は基本学生数で決まる。運営費の1割程度。私学助成金は総額2,701億円。慶応大が最大で78億円。某大学の平成27年度は3億8,892万円

<学長に企業経営者を持ってくるべきかについて>
大学は人材を生み出す場所。利益を出すことを目的とする企業とは基本的に異なる。なにより教育と研究で評価される場所、企業経営者にそれができるか疑問?




『人類のやっかいな遺産』7
著者は狩猟採集生活から定住への転換には攻撃性を低下させる遺伝的変化が必要だったろうという。しかしその証拠は全く提示しない。これも「何とでも言える」の口。p109

マックスプランクの研究者であるマーク・ストンキングのヒトが衣服を着始めた時期を推察する巧妙な研究手法を紹介する。それは衣服にしか住まない身体シラミが頭シラミから進化した時期をゲノム解析から調べる方法で、それによれば7万2000年ほど前との結果を出したとか。p142(ただし、50万年前という結果を出した研究者もいることを脚注で紹介しているp334)

著者は制度的連続性が文化的というよりも遺伝子的支配を受けている例としてアメリカ流の制度がアフガニスタンの部族社会を維持するパシュツン人には受け入れられないことを例にしている。p163 しかし、それはどうだろう? 長い文化的制度を持つ日本人は簡単に欧米の制度を受け入れたのではないか? 勿論どれだけかという程度の問題はあろうが、かなり日本の場合は西洋流の制度の受け入れ程度が高いように思われる。

著者はジャーナリストであり自然科学者ではない、それだけに実に幅広い知識を駆使して持論を展開する。その中には中国やインド、そしてとりわけイスラーム社会の政治制度がある。例えばこうした記述がある。

『(奴隷エリート行政官というシステム)は非人間的に思われるかもしれないが、部族主義を排して支配者の命令に従う行政官カーストを確保するために…』p181

『オスマン帝国拡張が止まると、スルタンたちはまずイェリチェリたちに結婚や子作りを認め、その後はその息子たちが軍に入るのを許した… 世襲エリートの台頭の防止を破壊し… オスマン帝国の緩慢な崩壊を許した』p183

実に幅広い歴史知識で凄いと思う。 しかしだからと云って彼の説を受け入れるというわけでは勿論ない。
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