2018/2/28

GAFAM plus 2 & 『人類のやっかいな遺産』13  お勧めの1冊

今月末までに定年退職による科研費の事業廃止承認申請書を出さなければならず、今年の分を全て使い切り、残高ゼロ円の状態にして申請書を今日27日ギリギリに提出した。 来年度まで出る予定だった研究費を返上することになるのは勿体ないが仕方ない。 いずれにせよ、来年度は最終年度なのでそれほど金額が大きいわけではないが、それでも150万円ほどが未使用のまま返上ということになる。


<GAFAM plus 2>
26日(月)の「私の視点」は寺嶋実郎氏。話題になったのはIT巨大独占企業としてのGAFAM plus 2の存在。 昔はGAFA(Google, Amazon,Facebook, Apple, )だったが、今はそれにMicrosoftを入れてGAFAMになっているようだ。 それとPlus 2としては中国のAlibabaとTencentを加える。ここでわざわざPlus 2とするところがミソ。GAFAMATではない。なぜならAlibaba、Tencentは中国という国の制御を受けるClosed systemだからだ。

昔、ある人にTencentについて話した時、初耳だったらしく説明を求められた。それでFacebookみたいなSNSの会社としてスタートしたが、今ではWeChat Payでアリババのアリペイと共に中国全土をキャッシュレス社会にしてしまったと説明した。そうしたところ『中国は偽札が多いらしいからね』という反応しかこなかった。内心、『まったく、これだから駄目なのだ』と独り言ちた。

いずれにせよGAFAM plus 2の中に日本の企業はない



『人類のやっかいな遺産』13
以上の研究結果はイギリスのJournal of biosocial scienceという雑誌に掲載されたとか。早速調べてみると、2016年の impact factor =1.188とかなり低い。 研究者としてはせめてIF3くらいは欲しいものだと常々思っている。実際このように低い雑誌にこれまで出した経験はない。勿論こうした数字だけで評価するのは問題があるがやはり1つの指標にはなる。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4668/trackback
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4510/trackback

数字だけから判断すると、あまり評価された研究ではないということになる。著者はそれについて「面白さは認めるが刊行できない」と雑誌社から断られたというがそうだろうか? やはり論理の弱さ、強引さに問題があったのではないか?

このユタ大学の研究ではアシュケナジムユダヤ人の遺伝子に高い頻度で見出されるメンデル型の遺伝子変異を幾つか見出した。頻度がある集団で高い理由には普通2つある。1つは有名な鎌形赤血球貧血症で知られる自然淘汰。もう1つは創始者効果。前者はホモだと致死性あるいは生存に不利だが、ヘテロだとマラリアに罹りにくいことにより熱帯では逆に有利となり、変異遺伝子が生き残るというもの。 一方、後者は小さな集団で起こった変異がその集団が拡大したことで他の集団に比べ頻度が高くなるというもの。その変異の1つに、スフィンゴ脂質の生化学代謝に関わる遺伝病がある。この変異は1000年ほど前に生じたと推定され、当初、これは先の「創始者効果」と見られたが、ユタのチームは「この変異が知能を促進する効果をもつことから淘汰の結果だ」とした。すなわちユダヤ人が認知的に負荷の高い職業についていたのでそれが選択圧となったという理論だ。その理由として遺伝子変化は複数で同じ代謝系に落ちているが、普通変異はランダムにおこるので、同じ代謝系に落ちたのは何かの理由があるはずだとした。p256 ここで著者らは脂質代謝やその他の変異であるDNA修復系の欠損がニューロンの発達にある種の影響を与える可能性について述べるが、説得力のあるものではない。 

また、この変異はアシュケナジムユダヤ人が非アシュケナジムユダヤ人と分かれた後に発生した遺伝子変異なのでIQがアシュケナジムユダヤ人と非アシュケナジムユダヤ人で違う理由ともなるはずだが、それについての情報は不確かだ。p259 もし彼らの仮説が正しければ知的優位性はユダヤ人特有というよりもアシュケナジム系ユダヤ人特有ということにもなる。いずれにせよ、ユダヤ人の高いIQがこの変異の所為だとの仮説は検証可能なはずだが、誰もやっていないか、公表していないと著者はいう。p258

う〜〜ん、とても強引な論理で一般に受け入れられるのは難しいだろう。この研究結果が有名雑誌に載らないのは当然だと思う。もちろんデーターに間違いがなく、論理矛盾がなければどのような仮説も述べて構わないのだが…  ま、第三者的に考えるとこの論文がIFが低い雑誌にしか載らなかったのは当然かと思う。
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