2020/7/6

『日本人の宗教と動物観』  お勧めの1冊

<人吉の水害について考える>
ニュースによれば人吉が水害で甚大な被害を受けたらしい。確かにTVで観ると、あの球磨川が大河のようになっている、まるで激流の長江だ。

この水害で水没した特養で14人が心肺停止の状態になっている。聞けば50〜60人の入居者がいたとか。日常生活にもかなりの支援が必要な入所者だろうから避難は大変だろうが、それにしても被害があまりにも大きく、言葉を失う。

特養と老健:
特養は基本、「終の住処」としての意味を持ち、要介護3以上の高齢者を対象とする。要介護3以上とは「立ち上がり時や歩行、食事、入浴、排泄のときに、介護者による全面的な介助を必要とする」というのが定義。つまり、一人の高齢者の介護をほぼ一人の介護者が必要なことを意味する。60人の入居者がいればのべ60人の介護者がいないと避難は難しいはずで、基本避難が必要な場所での設置は想定外だったのだろう。つまり、今回水没するなど予想できなかったということだ。

球磨川:
熊本出身で、高校時代は山岳部だったが、ほとんど人吉方面の山に行ったことがない。それは熊本市内からだと人吉は当時(多分、今でも)距離的に非常に遠く、山登りには2泊以上が必要だった。1泊でそれなりの登山ができる、阿蘇や大分の由布院などのほうがアクセスは容易。それに人吉は深い山が多いが、単峰は少なく(市房や国見岳など有名どころはある)よほどの「通」でない限り、山登りとしては面白みがない?と感じるがどうだろう? 

それにしても、渓谷で急流のイメージがある球磨川が今回荒れ狂う大河のようになって鉄橋を押し流したのには驚いた。先日、四川省で大雨が降り続き、三峡大坝の危機が噂されていたが、人吉も規模は小さいが地形的には四川省に似ている。

いずれにせよ、今後は「想定外の事態がこれから起こりうる」と考えていた方が良さそうだ。これも1つの地球温暖化の現れだろうか?



『世界を救う処方箋』はようやく半分を過ぎたところだが、ここで気分転換に以下の本を紹介する。ずいぶん内容が異なり、少し批判的な内容紹介になるかもしれない(汗)

『日本人の宗教と動物観』
吉川弘文館、中村生雄著、2010年初版。

鈴木大拙は僧侶の肉食を肯定していたらしい。しかしこの考えの背景にあるのはキリスト教的な、あるいは近代西洋的人間観の影響下にあるとする。p30 この考えは彼が20代でアメリカ在住時の発言であり、彼のこの時の見解を「その時代の社会的背景を無視して現在の基準から批判するのは適当ではない」と著者はいう。p32 それには同意だ。

原始仏教の伝統を受け継ぐ、上座部仏教の場合、布施された物は何でも食べるべきとの立場なので肉食は禁忌ではない。事実、犬の肉などを食べる低カースト・アウターカーストの人からも初期の仏教教団は布施を受け入れていたらしい。

ところが、4世紀頃に成立したと考えられる『涅槃経』などでそれを全面的に禁止する立場があるらしい。それゆえ、現在の仏教教団が肉食を禁忌とするのは、その後カースト制を強化するヒンドゥー・インド社会からの要請だとする。p49  

全く知らなかった。しかしここまでは何となく納得できる。さらに著者はこの思想が日本に導入される時には神道的な「穢れ」の観念と歩調を合わせたとも。p50  さらに、大国中国に対する『日本的ナショナル・アイデンティティの一表現… 仏教以前の土着信仰に無原則にさかのぼらさせてはならず…』p56 とするにあたっては、いつもの通りの根拠に欠ける。「何でも言える」世界だと言わざるを得ない。



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