2020/9/14

『貧乏人の経済学』  お勧めの1冊

<世界の街角からの便り>
よく観ているNHKの番組に『世界 ふれあい街歩き』がある。最近特に良いと思うのは、番組の最後に過去の番組に登場した人たちの「コロナ下での便り」があること。
https://www4.nhk.or.jp/sekaimachi/

先日は南イタリア、バーリからの便りがあった。12歳から70年以上屋台で食べ物を売っていた老夫人が元気に『(コロナが下火になったので)そろそろ商売を始めようかと考えている』と語ったこと。元気にこれからも頑張ってもらいたい。
https://www4.nhk.or.jp/sekaimachi/x/2020-09-08/10/24939/2204371/

日曜にはスペシャル版があった。イタリア、サルデーニアのアルーゲーロの若者たちは今、オンラインで仲間と音楽を楽しむ。またシチリアのタオルミーアでは少しずつ観光客が戻って来て音楽を楽しむことができるようになったとか。

フランス、パリ、カルチェラタン。学生ときから30年近く街角でミュゼットを開催する男性。ロックダウン時には窓から仲間の女性とともに歌声を伝え続けた。今ようやく再開し、人々はマスク姿でダンスに興じる。

NYハーレムのゴスペルグループ。未だ教会は封鎖されているが、それでも家の中で家族と歌うゴスペル。インタビューで、コロナだけでなく人種差別にも揺れた米国で『Difficult timeを過ごしている』と語ったのが印象的。

ペルーのリマの音楽酒場を営み店で歌う姉妹。まだ店再開のめどは立たずこちらも辛い日々を過ごすが、これも『神様からの試練だと思っている』とのメールが届く。思わず胸が熱くなった。
https://www4.nhk.or.jp/sekaimachi/x/2020-09-13/10/31201/2204375/



<『西域記』の背景>
初唐時代は東西突厥の勢力均衡にあって、西域の情報は中国にとって極めて重要であった。以前、

『法顕伝といい、この宗雲行紀といい、稀有な記録なのだろうが、やはり円仁のものと比べると質・量ともに見劣りがする』

としたが、もしかすると詳細な記録を残せない理由がここにあったのかもしれない。
https://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4325/trackback



『貧乏人の経済学』
アビジット・バナジー&エステル・デュフロ著、みすず書房、2012年。

エステル・デュフロはあの『貧困と闘う知』の著者である。
https://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/5145/trackback

しかも翻訳者は山形浩生氏。内容は保証済みみたいなもの。山形氏は一読者にすぎない私の質問に逐一回答を返してもらった。
https://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/5767/trackback

冒頭、行動経済学の実験結果を示す。概略的貧困状況を説明したチラシと、マリの貧困地帯に住むロキアの状況を示すチラシの場合、前者では1.16ドルの寄付につながり、後者では 2.83ドルの寄付に繋がったことを。しかし、それだけではない。この2つの話を聞かされた上で学生が最初のチラシを見せられると、1.26ドルとほぼ前者と同じ額の寄付につながり。後者のチラシを見せられると、1.36ドルしか寄付しなかったという実験結果である。p17

これは「人は問題が大きすぎると感じると、そうしたことはできれば忘れてしまいたい」と思う人々の行動を示す。

またここであの『世界を救う処方箋』の著者である、ジェフリー・サックスの話も出てくる。p20 
https://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/6217/trackback

どうやらこの著者はサックスの言うような「概論=理論」では行動経済学的に貧困問題は解決しないと感じているようだ。

援助に意味があるか、意味がないかという神学論争をするのではなく具体的な手の届く解決策を提供することが重要だと述べているよう。そしてそれを知るための実験が必要だと言っている。p32

サックスの言うような「貧困の罠」がその事例であるのか(図1)、そうでない(図2)なのか。これはそれぞれ個別の事例として実験する必要がありそうだ。

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