今回は割と最近発売になった媒体です。
『Bicycle magazine』のVol.24。
自転車を積み上げた表紙が目印。実は僕のロングテールバイクも少しだけ写ってます。
テーマは「COMMUTER & UTILITY BIKE」。実用的な自転車と運べる自転車を主に取り上げています。
本当は別のテーマで制作に取り掛かっていたのですが、東日本大震災に見舞われたことで、急遽テーマを変更したという経緯があります。
被災地ではガソリ不足からクルマが使えず、物資を運ぶのに自転車が有効なこと。東京でも、震災による帰宅難民が多く発生したことや計画停電によって、自転車が通勤の手段として見直されてきたことから、このテーマとなりました。
掲載しているスナップは、震災からそれほど経っていない頃に行ったのですが、実に多くの人に集まってもらえて、編集長も感激していました。
なかにはロングテール仲間も多数出演していて、個人的にも感慨深い号です。
僕は、いつものロングテールバイクの連載(今回は念願のエクストラサイクル純正チャイルドシートを装着!)と、エクストラサイクルの創業者であり、ロングテールバイクの発明者でもあるロス・エヴァンスからのメッセージのページを書いています。
この特集テーマが決まったとき、真っ先に話を聞きたいと思ったのがロス・エヴァンスでした。
元々、発展途上国の支援のためにロングテールバイクを作った彼が、今の日本の様子を知って、どんなことを感じているのか知りたかったのです。
その内容は期待通りのものでした。
日本が自然エネルギーを中心とした(明確にそうとは書いていませんが、明らかにそれを意味していると思われます)先進的なインフラを持つ国へと生まれ変わること。それを世界も期待していること。そして、そうした社会を作るのに、自転車に乗るというシンプルな行動が大きな力になること。
そんな彼の言葉は、今後に向けて非常に勇気づけられるものでした。
ぜひ、ご一読いただければ幸いです。
個人的には、今回のテーマは「Power of Bicycle」と呼ぶべきものだと思っています。
こんな時だからこそ感じられる自転車の持つ力、余計なエネルギーを使わずに物を運び、移動の手段になるということに加えて、新たなライフスタイルの構築など社会を変えていくパワーも自転車は持っていると思います。
そんなパワーを感じてもらえる誌面に仕上がっているのではないかと。
残された制作期間は短いのに、特集のテーマを変更するという決断をし、それをちゃんとした内容に仕上げた編集部のみなさんに敬意を表します。


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