神戸の元町高架下にあるギャラリー、Pocket美術函モトコーで、茶薗大暉さんの個展を見ました。
茶薗さんは、神戸で現代美術家の能勢伸子さんが主宰している美術クラブ、バケッタマジーカのメンバーです。
バケッタマジーカは、障害を担う青少年たちが集まって、それぞれに個性的な表現に取り組んでいる教室で、茶薗さんにも知的な障害があります。
大阪府立吹田支援学校中学部の3年生です。
線の表現や色の使い方に、インパクトがみなぎる絵です。
とりわけ構成の力強さには、茶薗さんでなければこうはならない独特の響きがあります。
ひとつひとつの作品が、ひとびとを立ち止まらさないではいないのです。
モチーフも、歌舞伎や相撲やバンド・グループ、さらにはマイケル・ジャクソンのステージと、多彩ですが、お坊さんたちの群像を描いた作品は秀抜です。
30人あまりの僧や尼僧が、ひな壇のような構成のなかにぎっしりと並んでいます。
懸命に祈っているのや、大声で唱えているのや、大笑いをしているのや、黙想にふけっているのや、なにもしていないのや…。
みんな生き生きと描かれているのです。
ほとけ様じしんもそこに紛れ込んでいて、どうやら十字架を握ったキリスト教徒のような宗教者もいるようです。
おおらかな心のビジョンが繰り広げられているのです。
ああ、こんな生気に満ちた心の踊りをほんとうに見れないだろうか、そんな思いにさせられました。
展覧会は7日(日)までです。050.3716.3540

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