3月30日(日)に秋田市文化会館大ホールで開催されたオペラ『ねぶり流し物語』を観に出かけました。秋田市文化団体連盟創立50周年記念事業で、鳥井俊之さんの作曲した郷土創作オペラで、グランドオペラの形式で、スケールの大きい作品でした。
ソリストには、日本を代表するテノール歌手で秋田県出身の中鉢さんや、私がお世話になっているソプラノ歌手の長谷川留美子先生、他にも、教え子の菅原さんや山形大学時代の同級生や後輩も出演していました。また、オペラの中には、竿灯、なまはげ、民謡、日本舞踏、地元の子供たちや、合唱団などなど多くの出演者が登場しました。
私は、このオペラを拝見したのは始めてでしたが、その音楽の素晴らしさに感激してしまいました。日本人の作曲家がここまで、西洋と日本の郷土文化をバランスよく調和させ、観客に感動を与えるなんてすごいと思います。いくつかの邦人作曲家のオペラを観たことはありますが、あまりにもこり過ぎていて、歌い手やオーケストラに無理な要求をしたり、日本語がメロディに乗らないものが多かったように思いました。
『ねぶり流し物語』は秋田の風土や背景にあるものからにじみ出た音楽で、特に、アンサンブルの重唱のハーモニーが多くの場面で効果的に散りばめられていました。独唱や2重唱も、たっぷりカンタービレにイタリア・オペラ風に作られていました。また、オーケストレーションも管楽器と弦楽器がシーンごとにスタイルの違った響きを放ち、フィナーレでは金管楽器の厚くきらびやかな音色が、ワーグナーを思わせるような壮大感がありました。そして、最後の最後であるラストシーンは、回想的な静かで美しい音楽で締めくくられ、よりオペラ全体の印象を深いものにしてくれました。
私は、出演者、スタッフ、観客、関わったすべての人を、ひとりの作曲家が生み出した音楽で幸せにできるなんて、人間の威力のものすごさに感心してしまいました。
鳥井さんは私の身体を気遣い、東京⇔秋田をご一緒してくださり、会場でもお隣の席だったので、終演後はすぐに感動の気持ちを伝えることができました。
秋田に行く前日に仮退院し、自宅に帰って傷口のガーゼ交換をした時に、かさぶたが取れたのか、大量に出血したので、私は大変動揺してしまいました。しかし、このオペラ公演と母の見舞いは何が何でも行きたいと念じ、行動に移しました。今は無事に帰ってるくることができて、ほっとしています。
今日は4月1日。『月が変われば、ツキも変わる』とテレビで原監督が言ってました。ツキを変えていきたいと思います。