昨日のコンサートで、出番の前に私を訪ねていらした女性がいました。私は会うやいなや、もう、涙、涙。どうされているかと、気にかけていた方だったからです。
旦那様は、私が半年前に入院した時に、お隣のベッドだった方で、その時に、命の宣告をされたと聞きました。最初は、まさか私が!?治療すれば治るのでしょう!?という心境だったようですが、次第に現実を受け入れながら、希望を持って生きているそうです。
6月に病院で私がロビーコンサートをした時も、ご夫婦で聴きにいらして下さいました。診察の時に顔を合わせることはありましたが、連絡先の交換していなかったので、偶然でもいいから、私の歌を聴いてもらえないかな?と思っていたら、ホームページなどの予告をご覧になっていたそうで、わざわざ受診日でもないのに、お辛い体調の中、足を運んでくれました。
それからはお会いすることがなかったので、私は気になっていました。そんな時に、奥様がコンサートに!真っ先に、旦那様、どうされてるの?と尋ねると、現在、緩和ケア病棟にいると、写真を見せてくれました。ああ、なんて近くに!エレベーターに乗れば、すぐのところにいらっしゃったとは!
自分も、昨日はかなり辛い状況の中でのコンサートだったのですが、一気に正気になり、演奏に集中して、『伝えたいひと』に見守られながら歌うことができました。
音楽を通して、こんなに貴重な出会い、再会というような、ひととひとを繋ぐ奇跡に、『諦めずに歌の道を選んで良かった。』と心から感謝した1日でした。
昨日、病院に戻って来てからは、ちょっと不調。夜からは38度台の熱が続きましたが、今日の午前中、調子がよくなったので、緩和ケア病棟へお見舞いに行って来ました。
入院中のその男性と再会でき、近況を伺い、お互いに力強い握手。そして、元気な笑顔で写真を撮りました。
生きるエネルギーを与えていただきました。
生きていることに意義がある。
生きているから悲しいんだ。
生きているから嬉しいんだ。
生きているから歌うんだ!