先ほど、入院中の病院の緩和ケア病棟でのフロアコンサートを終えました。ピアノは倉本卓さん。事前のリハーサルもできなかったので、本当に『ぶっつけ本番』でしたが、サポートしていただきながら演奏することができました。
緩和ケア病棟に入院中の知人の男性は、看護師さんやボランティアの方々にベッドを病室から出してもらい、演奏を聴いて下さいました。私の方をじっと見たり、遠くを見たりして、眼には涙をいっぱいにためていました。
私は、決して万全な状態ではなく、声がひっくり返ることも度々あったけれど、とにかく聴いて下さっている皆さんに、今できる精一杯の演奏しました。
演奏中、時折こみ上げてくる感情に泣いてしまいそうになったけれど、ぐっと我慢して、こころの中で涙を流しました。すると、その涙は私の身体の中をきれいにしてくれたのか、また新たなエネルギーが湧いてきたようです。
歌いながら思ったことは、闘病中の皆さんが(自分も含めて)早く退院できるように、とか、病気が治りますように、とかではなく、『音楽を共有しているこの瞬間を楽しんでもらいたい!俺も楽しみたい!』ただ、それだけでした。
演奏を終えたあと、知人の男性の病室を訪ねました。今は、パソコンで仕事のまとめをしたり、来年の年賀状を作っているのだと見せてくれました。彼の、今日を、今を大切にする生き方は、本当に輝いて見えました。
正直なところ、今日の演奏を終えて、まだまだ複雑な気持ちなのですが、このコンサートで出逢えたすべての方々に感謝します。
私の術後の経過は、快方に向かっています。ただ、まだまだ痛みがあったり、なんだかんだと乗り越えなければならないことはありますが、乗り越えたなら、何か素敵なプレゼントが用意されていると期待して、頑張ろうと思います。