田舎のバスは〜

(携帯で撮った写真なのだが、設定を間違えてバスで撮った写真は全部gifファイルになってしまった。)
おんぼろではないけれど、乗客はたった三人。ソーシャル・ディスタンス(?スウェーデンでも同じ言葉を使うけれど、このソーシャルというのは人と人との間という意味なのかな)の問題はない。
ここ南スウェーデンでは65歳のバス運転手がコロナに感染して亡くなって以来、バスは後ろ乗りになり、運転席の後ろにテープが張られて乗客が近寄れないようになった。
南部はストックホルム周辺と比べると感染者は少ないと言われているけれど、この運転手さんのように亡くなった方もいる。
しっかり手を洗おう、という広告の次に
距離を保とう!
…というお知らせが座席の目の前に設置されている画面に流れているのをぼんやり見ていたら、「2メートルというのはあなたが思うよりも長い距離です。たとえば…」といろいろな画像が映し出された。
たとえば、トイレットペーパー12ロール分。
…ちょっと細かすぎない?
たとえば、(園芸などに使う一輪の)手押し車2台分。
…これはわかりやすいかも。
たとえば、車輪のついた歩行器3台分。
これも よくお年寄りがこれを押して歩いているのを見るのでわかりやすい。
…そのうち、この例えの中に南スウェーデンの地名が書いてあることに気が付いた。
(有名なテニス大会が開かれる町Båstad)テニスラケット3本分。
(白い砂浜が有名なLomma)縦に並べたビーチチェア2脚分
(サーフィンが有名なHöganäs)縦に並べたサーフボード3枚の幅
(アザラシが見られるMökläppen)アザラシ一匹分
その土地の人ならピンとくるであろう物を使って2メートルを表しているつもりらしい。
(地名は読み取れなかった)うなぎを縦にならべて2匹分。
(ヤギが有名なのか? Östra Göinge) ヤギ2頭分。
(赤トビが有名なTomellille)トビ2羽分
(有名なのかどうか不明だがPerstorp)ばさっと羽を広げて敵を襲う姿が面白いオオライチョウTjäderの雄鳥2羽分
(卵白のお菓子spettekakaの名産地Sjöbo)このお菓子(Lサイズだと思う)5個分
ドイツ人観光客向けのまであった
この絵から解釈すると2メートルはソーセージ2個とプレッツェル3個とビールジョッキとドイツ人観光客に人気の「ヘラジカ注意」の看板1個分??
…で、マルモは??
出た!ファラフェルロール7個分!
ファラフェルには勿論なじみがあるが、こんな風に並べてみたことがないので7個分と言われてもあまりピンとこないような…かなり距離があるということはまあわかる。
距離をとろうというお役所の広告をしながら、このバスが走っている各地の観光案内も兼ねていて、なかなかナイスだ。
しかし…コロナの影響で乗客が減少することを食い止めることはこの状況では不可能で、このバスの会社も合計300人以上の運転手を解雇することになるというニュースを今日聞いた。

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