これは二週間前にイナカで撮った写真。先週行った時にはもう牛たちはいなかった。冬は乳牛は放牧しないのだ。また春に会おうね。
気がついたら冬になっていた。
といっても、気温はずっとプラス6-8度を行ったり来たりしていてあまり冬らしくない。寒がりの私にとっては有難いと言えばそうなのだが、雨が多くて暗くて気が滅入る。
8月になってからスウェーデンのコロナによる新たな死者の数がじりじりと下がり始め、もうすぐ六千人を超えてしまいそうだったところで数字が止まり、もしかするとこれで収束するのかもしれない-と多くの人が思っていた。
周囲の国々が感染の第二波に見舞われて対応に追われ始めた時もまだスウェーデンの感染者が増加したという報告はなかったので、もしかしたらスウェーデンだけは免れることができるのかもしれない-と多くの人が思っていた。
-でも、そのような希望的観測はすぐに打ち砕かれ、11月をすぎてからは感染者、重症患者、死者ともに増え続けて死亡者は7500人を超えてしまった。一度は200人まで集会してもOKと行動規制の勧告が緩められていたが、それが8人になり、お年寄りの施設に家族が訪問することも再び禁止になった。
-で、マスクは、というと「マスクをしている方が感染の可能性がある(かも)」というお役所の言葉に後押しされて相変わらずマスク着用の義務はないし、マスクをしている人は少ないままだ。図書館もショッピングセンターもレストランもサウナもカフェも開いている。
期間限定でレストラン等の営業をあらかた禁止し、かなり厳しい取り締まりを行っているデンマークと比べるとスウェーデンの政策はあいかわらず緩い。政府や公衆衛生庁の見解や政策に対する批判も日々目にすることができ、そういう意味では高圧的に行動を規制されているという感覚はない。政府の措置が人権侵害だとしてデモが行われるフランスやドイツとはかなり状況が違うと思う。スウェーデンのやり方にいい点があるとしたら、たぶんそこだ。
そうは言ってもスウェーデンでも今年は家庭内暴力の問題が増えているというし、オンライン授業になったせいでストレスを抱えるようになった学生のことも新聞の話題になっている。社会のサービスが受けられない不法移民は国に帰ろうにも身動きがとれない。助けを必要とする人のためのフリーダイヤルなどが設けられてはいるが、必要な人にその情報がとどいているのかどうかはわからない。
covid19が社会全体にもたらした影響はとほうもなく大きく、ワクチンなどで病気の感染そのものが収まったとしてもあとあとまできっと傷跡が残ることになるだろう…たぶん世界中で。

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