2009/5/16
メーデーの日に相棒の運転で買い出しに行く途中、通り過ぎたいつもの見慣れた風景の中でちょっと異質なものがまじっていたことにぼんやり気がついた。
その異質なものというのは、屋台のファラフェルチェーン店「Falafel N.1」の野外のベンチにスウェーデン人らしきスーツ姿の人が三人座っていたことである。

今やファラフェルはケバブ同様マルメにはなくてはならないファーストフードであり、移民背景のないスウェーデンの原住民がこれを食べる姿は珍しくない。初めは新しいジャンクフードとして定着したが、最近マルメの中心部におしゃれなレバノン風カフェが開かれるなどしてファラフェルの社会的地位は高まりつつある。
…といっても移民居住区Rosengårdの近くで、屋台のベンチにぱりっとしたスーツ姿というのはかなり妙なとりあわせだ…その中に女性が一人まじっているのもますます珍しい…
と、ちらりと思ったものの、私は「まあそういうスウェーデン人も今日びいるのかも」と視線を前に戻そうとしたが、相棒はバックミラーをちらちら見ながら「通り過ぎてはっきり見えなかったけどたぶんあの人はモナサリンだ」と言う。「えっ!」
野党第一党(前回の選挙までは与党第一党)社会民主党党首であり、ちょっと八代亜紀に似ているモナ・サリン!たしかメーデーの集会のためにマルメに来ているはずだった。
その時その場にいたのは彼女のほかに数人(たぶん一人は護衛)だけだったところを見ると、彼女がそこに行った理由が 庶民性とか移民に対する理解をマルメ市民にアピールするためのパフォーマンスではなくて単ににファラフェルが食べたかったからなのだろうということがわかる。
翌日、南スウェーデンでのモナサリンの一日を追った新聞記事があったので読んでみた所、最後がこうなっていた。「集会終了後、モナサリンは会場をこっそり後にした。ストックホルムに戻る飛行機に乗り込む前にRosengardでファラフェルにありつくためである。」

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投稿者:tongshin
melocotonさん、
Rosengardはアラブ系住民が多いし、あのスタンドを選んだのはまあ悪くない選択だと思います。でも私だったら別なところをおすすめしただろうな〜
投稿者:tongshin
ぴかままさん、
そう、お忍びファラフェルだったんです!
じつは大須ってどういう所なのか知らなかったので検索してみたら何だかとても楽しそうな町ですね。名古屋に行くことがあったら是非訪れなくては。