
■昨年から時々交流がある人のブログで知った、函館のまちづくり企画「バル街」。このブログで紹介したところ、「バル街」の広報を担当していらっしゃるhoshinoさんから、コメントをいただきました。そして、大変厚かましくて恐縮しているのですが、昨日は、hoshinoさんから過去の「バル街」の資料を受け取ることができました。hoshinoさん、ありがとうございました。(写真は、前回のポスター)
■いただいた資料は、「
まちに“にぎわい”を生み出す方法 西部地区バル街のしかけ」というプレゼンテーション用の資料【資料1】。それから、第2回バル街に関する「函館西部地区2004秋のバル街 報告と記録」(8頁)【資料2】、そして「函館西部地区2005春のバル街 報告と記録-ここを通りすぎた風が。」【資料3】です。全部で3種類。
■きちんと、このような「報告と記録」の資料を作成されて、配付されていることに、感心しました。やりっぱなしではなく、情報をこの企画に参加した方たちに、きちんとフィードバックしていくことが、まちづくりでは大事な仕事になります。多くの人々が、自分が参加したことの意味を確認し、参加をポジティブに評価することができる手段になるからです。そして、そのような
意味を確認すること、
ポジティブに評価することは、新しい参加者を呼び込むことにもなりますし(良い噂が人を通して伝わる)、
次回の企画へのエネルギー源にもなるからです。
■ホームページでも可能ですが、やはり、このような簡易な紙媒体は効果的だと思います。この「報告と記録」ですが、スッキリしたデザインで、なおかつコンパクトなものになっています。このような情報発信力は、hoshinoさんご自身が経営されている企業の存在も大きいのだと思います。まちづくりでは、フィードバックをするこにより、このような「前向き」な循環、
プラスのスパイラルをつくっていくと、いいんですよね〜。
■【資料1】をもとに、この「バル街」のこれまでの経緯を紹介しておくことにしましょう。これまで「バル街」は、3回開催されています。それぞれに対して、どれだけの参加があったかというと、以下の通りです。
【第1回】2004年2月16日
市民:450人、バル街参加店:25店
【第2回】2004年10月15日
市民:850人、バル街参加店:34店
【第3回】2005年3月9日
市民:1350人、バル街参加店:41店
いかがでしょうか、回を重ねるたびに、市民の参加者も参加店も増加しています。すごいですね〜!!
■この「バル街」のウリは、「函館の歴史と伝統が詰まった旧市街=西部地区をスペインの『バル街』に見立てて『飲み』・『歩き』を徹底的に楽しもう」というもの。参加者は、「5枚つづりチケット(600円X5枚:3,000円)」を事前に参加各店、プレイガイド等で購入し、当日は所定時間内に5店を回ることができるようになっています。1枚につき飲み物1杯とピンチョス(おつまみ)1皿がつきます。「あとバル」という、バル街チケットを購入したけど、仕事とか用事で当日参加できなかった人たちのための、使い残したチケットの使い方のプログラムも用意されています。
■ここでいうピンチョスとバルについて、
ホームページでは、以下のように説明されています(横着な方、忙しい方のために、ズルしてコピーしました、ごめんなさい。きちんとホームぺージを見てくださいね!!)
「スペインのバルは喫茶店であり、立ち飲み居酒屋でもあります。朝早くから夜遅くまで利用でき、スペインの生活にはなくてはならない存在です。多くのバルには椅子はありません。客は立ったままで飲み食いかつお喋りを楽しみます。お店によってピンチョーの種類が異なり、焼き物、揚げ物、ハムなど特徴を競います。レストランでの食事の代わりに、お腹の調子に合わせて数軒のバルを梯子するのが普通。」
「ピンチョーとは、スペインのバルで出される、ひと口かふた口で食べられるおつまみのことです。(地方によってはタパスともいいます)ピンチョーはスペイン語で「楊枝」の意味で、色々な食材を楊枝で刺して食べやすくしたことが始まりです。種類は数限りなくある上に、シェフ同士が競って次々と新しいピンチョーが生まれています。少量ずつ好きな物を食べられることが受けて、ピンチョーはスペイン各地のみならず、そして外国にも広まっています。」
■これを読むと、企画の趣旨もよくわかりますよね。まず、函館のいわば、
アイデンティティともいえる西部地区を市民が楽しんで歩き、地域のアイデンティティである地域を再評価するということが期待されます。もちろん、お酒を梯子するっていうところがミソなのかもしれませんが、函館市民でも、人によっては仕事で忙しく、あまり行かないかもしれないこの地域に、あえていこうという気持ちになりますものね。西部地域は観光客向けで、俺たち地元民には関係ないと考えがちかもれしません(たとえば、私は奈良市に住んでいますが、旧・奈良市街地にはあまりいく“チャンス”がありません)。
■【資料1】では、そのあたりのことを、「飲む・つまむ+歩く・視る」という行為を通じて、「楽しさ、意外性、発見、コミュニケーション」が生み出されていると説明しています。たぶん、一人で参加するよりも、知人や友人と参加するのでしょうね・・・
「ああ、ここはこうだったのか、知らなかったよ〜。こんどは、昼間に来てみたいね〜。で、次はどの店にしようか。あっ、電車がきたようだよ。(ガタガタガターン、シュ〜)ささ、乗って乗って、へー、バル電車っていうの、これ。なかでもお酒飲めるじゃん!しゃれてるね〜!!」
まあ、こんな感じでしょうか(^0^)。いや〜、まち歩きが好きで飲兵衛の私には、たまらない企画ですね

(ただし、私、いわゆるテッチャンではありません)。
■【資料1】では、「既存資産の『賢い』活用」として「旧市街の街路、建物、たたずまい」、「点在する『洒落た』飲食スポット、「『行政』の資源利用」と書かれています。ちょっと、3つめの「行政」の資源利用というのが、資料だけではわかりませんが、もしも「行政」を函館市交通局=路面電車と考えるならば、市民・企業(洒落た飲食店+チケットの販売点・・・)・行政のまさに協働関係が比較的うまく構築されてきたと考えればよいのでしょうか(実際にはいっていないので、あくまで推測ですけどね)。
■いま、市民・企業・行政と書きましたが、企業、特に飲食店にとっては単にこのような活動に参加して楽しいということと、きちとん売り上げに繋がっていることの実感が重要ですよね。お酒を1杯のんで、ピンチョス(ひょっとして、ピンチョーの複数形?西班牙語はよく知らないもので)をつまんで・・・
「へえ〜、このお店、ふだんはこんなメニューをしているんだね。知らなかったな〜。雰囲気もいいよね。じゃ、こんど会社の懇親会、ここでやろうかな・・・」てな感じがおこらないわけではない・・・(^^;)。
■参加した市民の声を読んでもおおむね好評ですね。人気のある店と、そうでない店に差がでてくるのかな・・・。「あの店にいきたかったのに」といった声もりますが。この【資料1】では、飲食店側の声や、行政の声がよくわかりませんが、この点についても、ぜひ知りたいものです。


■あと【資料1】では、「情報のプロデュース」の重要性についてふれています。そうですよね〜、このあたり、hoshinoさんのご専門分野です。さてさて、チケット販売時には、「バル街MAP」というのがついてくるようです。これで、お店の場所や、酒やピンチョスの内容等について知ることができるのですね。恋人と地図をひろげながら、「けんちゃん、ねえねえ、どこにいこうか〜。わたし、ここがいいな〜」なんてね、いいな〜

。けんちゃんは、余計ですね。すみません。
■地図以外にも、若い人たちには、Webサイトが重要になってきます。こてこでネット予約もできるんだ〜。私のような中年にはちょっと・・・、かもしれないけれど、若い人にはチケットをネットで買うのは常識ですものね。
ポスター等の印刷物も、ちょっといいじゃないですか。詳しくは、ホームページをみてくださいね。
■最後になりますが、【資料1】では、「今後へ・そして課題」もきちんと整理されています。まず、どう継続していくのかということです。年2回のペースでやっているようですが、実行委員会の皆さん(10名)も、それぞれご自分のお仕事をもちながら、頑張っていらっしゃるようですし、サポートするスタッフや企業がどれだけ増えていくのか、また、特定の社会的属性の人びとだけでなく、年齢や職業、そして性別などが異なることも大切ですね。特に、年上の皆さんから、若い皆さんへ、様々な事柄がこの企画に参加することのなかで伝わっていくことが期待されます。まぢつくりは、人づくりといいますが、そのあたりの問題ですね。それから、あげられているのは、マンネリ化の回避ですか。
■こういう企画が、大津にもほしいよな〜。前回の投稿にも書きましたが、「線」(電車)と「点」(面白い店、スポット、観光地・・・)と「面」(まち並みや雰囲気)がセットになったような企画があるといいんですけどね〜・・・しみじみ。
■しかしだな〜、函館にいきた〜い!なんとかならんか〜!(現実には、講義があるのでいくことはできませんから、残念!

)
■以上、まち歩きが好きで飲兵衛の私の“願望”や“妄想”もたぶんに入った紹介になっているかも・・・。そうだったら、すみません。【資料2】と【資料3】も、あとで拝読して、また投稿します!!