
■1週間前の土曜日から月曜日にかけて、岩手県に出張していました。「
NPO法人カシオペア連邦地域づくりサポーターズ」の2006年度中間報告会に参加するためです。土曜日は、お昼前の新幹線で岩手県の二戸市にむかいました。中間報告会は翌日の日曜日だったのですが、この日の晩、このNPOから助成金を交付され、現在も活躍している地域団体の皆さんが集まって「サポーターズOB会」が開催されからです。会場は、二戸市内の金田一温泉にある「
緑風荘」です。

■この「緑風荘」、知る人ぞ知るといいますか、
座敷童子(ざしきわらし)で全国的に有名な旅館です。この旅館の「
槐の間」(えんじゅのま)に宿泊して眠ると枕元に座敷童子があらわれるのだそうです。座敷童子があらわれた人には、幸運が訪れるのだとか。上の写真は、その「槐の間」を撮影させていただいたものです(左上の写真は、「槐の間」のある建物を外部から撮影したものです)。
■時々、オーブ現象という心霊現象が起こるともいわれています。白いシャボン玉のようなものが写真に写るわけです(たとえば、
こらち)。「古い家などには空気中に埃がただよっていて、それにストロボの光が反射しただけだよ」というもっともな科学的な説明もあるのですが、ここはやはり、ああ「精霊だ、座敷童子だよ…」と思っておくことにしましょう。
■ちなみに、写真に写っているたくさんの人形は、この部屋に宿泊して幸せが訪れた方たちが座敷童子に捧げた人形の数々です。この「槐の間」、平成20年(2008)12月31日まで予約が入っているのだそうです。平成21年(2009年)1月1日以降の予約受付は、平成20年(2008年)3月1日の午前10時から行うようです。ちなみに、前日、「サポーターズOB」の皆さんと楽しく酒を飲んで、爆睡していた中年のおじさんのところには、もちろん座敷童子さんは、現れてくれませんでした。
■ところで、この座敷童子でも有名な金田一温泉、芥川賞作家である
三浦哲郎さんゆかりの地でもあります。三浦さんは、この金田一温泉から少し離れた青森県の八戸市の出身です。三浦氏はいったん早稲田大学に入学するのですが、ある出来事があり、失意のうちに帰郷し、再入学するまでの再起の期間、父親の実家のあるこの金田一温泉で過ごしました。

■皆さんは、『ユタと不思議な仲間たち』という三浦氏の作品をご存知でしょうか。お恥ずかしい話し、私は三浦氏の有名な芥川賞受賞作品『忍ぶ川』を読んだことがないのですが、この『ユタと不思議な仲間たち』については、テレビでドラマ化されたもの(原作とは少し細かな点が違うようです)を見たことがあり、とても強く印象に残っています(1974年5月、NHK「少年ドラマシリーズ」のなかで)。

■ストーリーは、事故で父親を亡くし、母に連れられて母の故郷の山村に引っ越してきた勇太(ユタ)が、村の子供達に溶け込めないときに、不思議な座敷童子たちと出会い、励まされながら逞しく成長していく、というものです。NHKのドラマでは、俳優の佐藤蛾次郎氏が、ペドロという座敷童子役で登場します。ペドロも含めてドラマに登場する座敷童子たちは、江戸時代の飢餓のときに間引かれた子どもたち、という設定になっています。私は観ていませんが、
劇団四季のミュージカルにもなっているようですね。右の写真は、ドラマ撮影にも使用された分校と裏山です。

■2006年度から、「
NPO法人カシオペア連邦地域づくりサポーターズ」が助成金を出して、この金田一温泉で活躍されている団体に、「三浦哲郎文学を読む会」(代表・沖野覚氏)があります。この会のねらいは、金田一温泉を三浦文学ゆかりの地として情報発信することで、地域づくりに役立てていこうという点にあります。今月、11月の4・5両日には、「
三浦哲郎文学散歩in金田一温泉」というイベントも開催されました。多くの方が訪れ、会が作成したシオリとマップをもとに、三浦文学作品に登場するゆかりの地を、ひとつひとつ巡ったり(ガイド付き文学散歩)、朗読会やコンサートなども開催されたようです。
とても興味深い試みですね。
■まだ、会の活動は始まったばかりですが、三浦文学という地域資源、金田一温泉、そして豊かな田園風景、これらをうまく繋いでくことで、通常の温泉旅行とは異なる、付加価値のついた面白いツーリズム(文学+温泉+グリーンツーリズム)を展開していけそうです。
■将来、会の活動が軌道にのってきたときには、すでに近隣の他の地域で活動している団体(そして、地元企業)と連携することで、「1+1=3」のような相乗効果が出てくるようにぜひ活動を発展させていただきたいと思っています(すでに、「地域づくりサポーターズ」から助成を受けた複数の団体間で、このような動きが頻繁に見られるようになってきています)。これは、「地域づくりサポーターズ」で審査させていただく側からのお願いでもあります。地域のなかから内発的生まれてきた地域活動が、相互に信頼・協力・協働する関係(ネットワーク)を構築していくことで、マンネリ化してしまいがちな活動に大きな刺激を与え、新たな活動の展開の契機を与えることがあるからです。また、1つの団体では生み出せないような社会的・経済的価値を生み出すことがあるからです。
■そのような信頼・協力・協働する関係(ネットワーク)の構築は、外部の観光客の眼差しに迎合して消耗品のように消費されてしまうようなマスツーリズムではない、根絶やしにならない、この地域の大地に根を張った新しい持続可能なツーリズムを展開していくための重要な基本条件のように思うのです。

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