■先日、神戸に下宿している大学生の長女が、ひさしぶりに帰宅していました。家人の話しによれば、翌日には、いらなくなったTシャツを下宿に持って帰っていったようです。最初、いらないTシャツというから、タンスのなかから、破れたり汚れたりしたTシャツ(雑巾がわりに窓ふきなどに使うやつです…)を引っ張りだしたらしいのですが、「そういうポロじゃなくてね…」、まだそれなりにキレイだけれど着ていないTシャツはないかというのです。なにやら、Tシャツを使ったまちづくりのイベントに参加しているようなんですね、これが。後日、携帯メールで長女に聞いてみたところ、参加している「
まちTプロジェクト」のことを教えてくれました。
■トップ写真は、長女に教えてもらったこのプロジェクトのウェッブ・サイトです。そこには、このように書かれていました。
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クローゼットの奥に、使っていないTシャツありませんか?
まちTプロジェクトは、あなたの使わなくなったTシャツから、地域で暮らす方々と学生を 結びつける‐場‐を生み出します。地域で行われるまちづくり活動や、蓄えられた歴史は非常に素晴らしいもの。しかし、年々入れ変わる学生たちが地域に愛着を持つことはとても難しいこと。そこで私達は、地域のまちづくり活動や歴史を学生に伝える場をつくると共に、両者の持つ不用品を利用して共有できる時間と意識を生み出すことを目的としています。
「いらない」と思っていたもので人と人が繋がることができたなら、それは素晴らしいことではないでしょうか?
年々入れ替わる学生と地域で暮らす人々が、当たり前のように挨拶をする関係になったなら、それは少し地域が豊かになったと言えるのではないでしょうか?
私達の活動が、そんな関係作りのきっかけとなることができたなら、それ程嬉しいことはありません。そして、私達の活動は「環境循環型社会」にもお役に立てるのではないかと考えています。不用だと思っていた資源には、実は数々の隠れた可能性があります。私達はまちづくり活動への参加やイベントを通して、そんな物の隠れた可能性を多くの人に伝え、「どんな時にでも身近なものを使えば人は楽しむことができる」ということを伝えていきたいと考えています。そして、みなさんと楽しくecoをしたいと考えています。
どうぞ、私達の作り出す場をお楽しみ下さい。
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■おお、なるほど〜、そういうことだったのか…。よく理解できます。大学って、地域社会の重要な構成員なんですよね。そこには、たくさんの若者が集まっている。地域の皆さんは、いろんな意味で、大学に集まってくる学生の潜在的な力に期待されているんですが、学生のほうは、そのことに気がつかずに卒業してしまう。大学で講義が終わると、そそくさとアルバイト先や盛り場に行ってしまう。また、地域社会に関心があっても、どうやって地域社会のまちづくりとかかわったらよいのかよくわからない…、自分のほうからそのような情報を探しまわることもないし…、そう言っているあいだに卒業してしまう。こういうことって、あると思うんですよね。
■まちづくりで大切なことのひとつは、お互い知らない人々とのあいだに関係が生まれていくこと、それも信頼と協働の関係が生まれていくことなのです。文章に出てくる「『いらない』と思っていたもので人と人が繋がることができたなら、それは素晴らしいことではないでしょうか?年々入れ替わる学生と地域で暮らす人々が、当たり前のように挨拶をする関係になったなら、それは少し地域が豊かになったと言えるのではないでしょうか?」というのは、いいですね〜。「
まちTプロジェクト」の皆さん、大切なポイントに注目されています。で、ちょっとエコ&アートっぽい感じのところが、このプロジェクトの面白さでもありますね。先日、アップしたエントリー「
大津エンパワねっと」のコンセプトとも、似ているところがあります。
■現在、「
まちTプロジェクト」が現在取り組んでいるのは、「
まちのTシャツゆうえんち」。このイベントでは、「地域から回収したTシャツをテーマにした展示、ワークショップ、遊び等が実施されるようです。そのイベントの準備でしょうか、このプロジェクトの
ブログ「てぃーふぁみ!」では、その様子が
アップされています。印象ですが、なんだか、ミシンの扱い手元が危ないような…。がんばってくださいね。長女の話しでは、ミシンが壊れてしまったということでしたが、修理はすみましたでしょうか。
■この「
まちTプロジェクト」を拝見していて頭のなかに浮かんできたのは、高知県幡多郡黒潮町の「
砂浜美術館」の「
Tシャツアート展」です。「砂浜美術館」のばあいは、文字通り雄大な砂浜が「場」なんですが、こちらの「まちTプロジェクト」のばあいは、神戸に流れている
都賀川沿いにある都賀川公園です。期間は、9月8日〜9日。時間がとれたらいってみようと思います。長女からの携帯メールでは、「機会があれば代表が話もしたいと言っていました」とありました。私のほうも、ぜひ、代表さんにお話しをうかがってみたいと考えています。
【追記】
■「まちTプロジェクト(その2)」(2007年9月23日)は、
こちらです。

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