■8月に入って、試験の採点、福井大学での集中講義、大津祭の社会調査実習…それに加えて母の生活介護と、夏期休暇中もいつものように忙しくしていたのですが、8/25〜27までの2泊3日、純粋にプライベートな旅行をすることができました。行き先は、鹿児島です。このプログのカテゴリーをご覧いただければおわかりいただけると思いますが、仕事の関係で全国あちこちに出かけてはいます。しかし、そのほとんどは仕事がらみの出張、プライベートな旅行は皆無に近い…。というわけで、今回から数回にわたって、鹿児島旅行での経験をもとにエントリーしてみたいと思います。
■今回の鹿児島旅行、前もって計画していたものではありません。結婚して25年、今年が銀婚式にあたるため、なんとしてもここは記念になるような旅行をしておきたい(おかねばならない…)という思いはあったものの、仕事に追われるうちに、あっという間に夏期休暇に入ってしまいました。当初は、海外に(ヨーロッパ)…というプランもあったのですが、準備不足の上に時間切れ。というわけで、妻とも相談をし、妻が行ったことのない場所を選んだというわけです。私自身は、これまで2回ほど、鹿児島に行ったことがありますが、そのいずれもが出張でした。しかし、出張とは異なり、関心をもったテーマを掘り下げることのできるプライベートな旅行は純粋に楽しいものですね。こうやって、オンとオフを切り分けてプライベートな時間をもつことは、仕事のエネルギー補充のためにも大切だなと改めて思ったのでした。
■トップの写真は、桜島です。桜島から朝日が顔を出そうとしています。力強い光ですね。場所は2日目に宿泊した鹿児島サンロイヤルホテルから撮影したものです。今回の旅行は銀婚式ということで、いつもとは違って少し「奮発」しました。部屋は、桜島に面した側に部屋(宿泊代金の高い方)を予約したのでした。前日は、レンタカーでの運転の疲れと、鹿児島市内の繁華街・天文館で美味しい芋焼酎を味わったせいで、早めに深い眠りにつきました。というわけで、翌朝は早朝に目が覚めてしまい、うまいぐあいに、部屋のベランダからトップのような写真を撮ることができたのでした。
■2枚目の写真は、起床直後に撮ったものです。まだ、街は薄暗さを残していますね。街灯やビルの灯りもまだついています。しかし、錦江湾(正式には鹿児島湾)のむこうに見える桜島の背後はすでに明るくなっており、桜島のシルエットがはっきりみえています。雲だけでなく、桜島の火口からあがる火山灰も空に漂っています。桜島の山頂は、北岳、中岳、南学の3つから構成さていますが(3つあわせて御岳と呼ばれています)、そのうち南岳は、爆発的な噴火もしくは一定規模以上の噴火だけでも、2010年には1026回、2011年は現在(8月)まで747回を記録しています。サグ島は、今現在、活発に活動しているのです。
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鹿児島気象台「桜島の月別噴火回数」
■3枚目の写真になると、火山灰がはっきりわかります。白い雲とは違って、少し黒っぽい煙のようなものが見えます。すでに風に流されて薄まってはいますが、これは火山灰だと思われます。私たちが滞在したときには、大きな噴火はあませんでしたが、それでも街中の車は火山灰で薄く汚れていました。また、ホースの水で薄くたまった火山灰を流しているお宅もありました。このように火山灰は、鹿児島の皆さんにとっては困ったものであり、またある意味でどうしようもない(防ぎようのない)ものでもあります。しかし同時に、旅行中に桜島の本を購入して俄勉強をしたのですが、火山と「共生」するこの地域の生態系や暮らしには、大変興味深いものがあります。たまたまタクシーに乗ったときのことです、運転手さんが「桜島の噴火や火山灰は困ったものだけど、桜島がなくなってしまうと、もっと困る」とおっしゃっておられました。もちろん、桜島が無くなることなどあり得ないのですが、おそらくは、火山灰には困るが、毎日、桜島を眺めて暮らすことの自分の人生にとっての意味や価値をとても大切だと思うがゆえに、「もっと困る」と表現されたのだと思います。私の経験でいえば、盛岡の街から岩手山を毎日眺めて暮らしていたときの「幸せ」と相通じるところがあるようにも思います。次回以降、鹿児島旅行関連のエントリーが続きます。

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