■今回の鹿児島の旅行は、鹿児島市、指宿市、枕崎市、知覧(南九州市)、そして再び鹿児島市と、薩摩半島の南部と東岸を2泊3日で一周しました。短期間でしたしが、改めて鹿児島県の広さを実感しました。鹿児島県庁のホームページでは、次のように
県の概要を説明しています。
-----------------------------
鹿児島県は,日本本土の西南部に位置し,その総面積は全国第10位で約9,188平方キロメートル,2,643キロメートルの長い海岸線を持ち,太平洋と東シナ海に囲まれた南北約600キロメートルにわたる広大な県土を有しています。
気候区は温帯から亜熱帯に至り,全国の中でも平均気温が高く,温暖な気候に恵まれています。
種子島,屋久島,奄美群島をはじめとする多くの離島は,本県総面積の約27%と大きな比重を占めています。
中央部を南北に霧島火山帯が縦断し,北部の霧島から南海のトカラ列島まで11の活火山が分布しており,豊富な温泉にも恵まれています。また,県下のほとんどの地域が火山噴出物であるシラス層によって厚く覆われています。
-----------------------------
■北は熊本県や宮崎県に接する地域から、もう沖縄のすぐそばにある与論島まで、その県域はかなり広範囲にわたります。今回、薩摩半島を回りながら、知覧にある「
ミュージアム知覧」、鹿児島市ににある「
歴史資料センター黎明館」「
かごしま近代文学館」を見学させていただくなかで、半島の向こにある薩南諸島や南西諸島、さらには国境のむこうにある島嶼地域のことが、文化圏的な視点から大変気になったのでした。次回、もし鹿児島を旅行するチャンスがあれば、鹿児島に縁のある作家・島尾敏男が提唱した概念「
ヤポネシア」をもっと体感するような旅行をしたいと思います。ということで、今回のエントリーの本題、枕崎を訪れた時の話しに移ります。
■前回のエントリーにも書いたように、枕崎訪問の目的のひとつは、指宿枕崎線の終着駅・枕崎駅をこの目で見てみることでした。もっとも、それは私自身の目的であり、同行の妻の関心はもっと別のところにありました。それは、「カツオ」です。枕崎港は、カツオの水揚げは静岡県の焼津についで全国2位、鰹節の生産は1位と、「カツオの街」として有名です。小学校の教員をしている妻の目的は、社会科の授業のなかにも出てくる枕崎のカツオの水揚げや鰹節等の水産加工業の様子を実際に見てみたい…ということにありました。しかし、何のリサーチもせず、突然枕崎港にいってそんな水揚げ風景を見ることができるのだろうか…誰しもが疑問に思いますよね。ところが、です…。

■枕崎港にいってみました。手前には、沿岸漁業の小規模な漁船しか停泊していませんでした。妻から、もっとむこうにある岸壁にもいってみようという言葉にせかされ、車を走らせると、なんと、ちょうど南洋の漁場から帰ってきた大型漁船が冷凍したカツオを水揚げしている真っ最中だったのです。水揚げ作業の邪魔にならないように(怒られないように…)遠くからの撮影ですが、船倉から運びだされているのは、カチンコチンに凍ったカツオです。「巻網漁法でとらえられたカツオは、一本釣でつれたカツオと比較すると魚質は落ちるけれども、一度に大量に捕獲できる…」こんな話しを私にしながら、妻は携帯電話のカメラでの撮影に一生懸命。大満足の様子でした。「せっかくだから漁協にいって、もし広報用の資料があればいただこう」と厚かましいことを思いつき、漁協の大きな事務所にも伺いました。大変親切に対応をしていただき、小学生向けの資料もいただきました。漁協の皆さん、ありがとうございました。以下に、関連するサイトもリンクしておきます。
○
枕崎市役所「カツオ・港」
○
にんべん「カツオと鰹節」
■ところで、昼食は、市街地にある「だいとく」というお店で「かつおラーメン」をいただきました。枕崎市の料飲業組合枕崎支部では、有志の皆さんが、研究を重ねて「かつおラーメン」を開発されました。4店舗が、それぞれ工夫を重ねた「かつおラーメン」をいただくことができます。写真は、私たちがいただいた「だいとく」さんの「かつおラーメン」です。具はチャーシューなどではなく、カツオの切り身の天ぷらとかつおヅケです。そこに、ネギ、ゴマ、ワカメ、そしてカマボコが添えられています。カツオと野菜でとったスープは、大変あっさりしてはいますが、同時に、旨味の凝縮したものでした。魚の臭みは一切ありません。

■枕崎市は、「太陽とカツオのまち枕崎」をキャッチフレーズにしているだけあり、この「かつおラーメン」以外にも、地域活性の取り組みをされています。たとえば、「枕崎カツオマイスター検定」。「
『第1回枕崎カツオマイスター検定』実施要項」には次のように説明されています。
-----------------------------
枕崎カツオマイスター検定とは、枕崎市民をはじめ県内外の方々に、枕崎で水揚げされるカツオや製造されるかつお節についての正しい知識を身につけ、自らの食生活に生かしつつ、カツオの価値を問い直し、「枕崎のカツオ」を広く伝えていただくための検定試験を実施し、合格された方を「枕崎カツオマイスター」として認定するものです。
-----------------------------
この検定、全国各地で行われている地域検定のひとつだと思いますが、かなり本格的です。「カツオの三枚おろし」「かつお節の削り体験」を含む10時限の講義を受講して検定試験を受けることになっています。
『カツオ学入門 枕崎カツオマイスター【検定公式テスト】』も発行されています。どのような内容なのか、気になるところです。現地の書店で購入すればよかったな〜と少し後悔しています。

人気blogランキングへ。記事がよければ、1回クリックを。
twitter follow me/facebook