大間々から、林道小平塩原線を終点まで走った。(おちあい橋)近くの路肩に車を止めて、歩きだす。小夜戸峠への道は、道路拡張工事をしていた。何故かと聞いてみた。奥に堰堤を作るためと答えが返ってきた。
廃屋は、壊されて無くなっていた。林道から離れて峠へと向かう。小夜戸峠には、峠を示すものは何も無かった。右手の尾根に取り付き、上っていく。周りの木々の葉が、秋らしくなってきた。
三つ目のピークに立った。少し笹があり、アンテナが立っている。細木に、『小夜戸山』の小さな山名標が付けられてあった。前に来た時は無かったのだが・・・。ここから右へと方向を変えて行く。
広い尾根道は、とても気分がいい。落ち葉を踏む感触が靴から伝わってくる。モミジが次第に赤くなりつつある。左下に国道122号線の走っているのが、見える。草木湖の上の三角の山は、三境山であろうか。
サクッ、サクッと落ち葉を踏む音が響いている。石標の立つピークで、しばらく休んだ。赤や黄色の葉を付けた木々が、風に吹かれて賑やかである。サワサワと揺れている様に、心がいやされる気分になる。
ここから、左へと尾根を歩いていく。細くなった尾根からは、赤城山の峰々が眺められた。しばらく歩いていくと、三っつの顔を持った石像が現れ、左下へと道が下っている。真っ直ぐに進んでいく。檜の樹林の端を上っていく。なかなか長い上りである。上り着いたピークには、アンテナが立っていた。
更に幾つかのアップダウンの後、標識の立つ『十二時山』に上り着いた。木々の間に、真っ青な湖面を見せて、草木湖が見える。その上に、男体山など、日光の山並みが眺められた。一息入れてから、少し歩くと、道路に出た。(林道小平座間線)である。
北へと少し歩くと、眺めのいい場所があった。空には、ひつじぐもがゆっくりと流れている。ピンクのリボンを追って斜面を上っていくと、三角点のある『丸山(離山)』だった。以前、色々な書物に、このピークは、小夜戸山と書かれていた。どうなんだろうか。
一旦下り、右へと上ると、松の木の下に二基の石祠の立つ、ピークに立った。ここから更に下って行く。右手の見晴らしが良くなり、山々が眺められた。鞍部に壊された道標があった。左に座間峠への薄い踏み跡がある。少し上ると、岩のある『鍋足沢の頭』である。
何度目の山頂であろう。山名プレートが新しくなっていた。岩に腰をおろした。吹く風は冷たかった。今日は、立冬である。色々な色をした落ち葉が綺麗に周りを敷き詰めている。秋色を楽しんでから、腰をあげ、丸山まで戻った。
のんびりと、林道を歩き始める。青い空に雲が流れ、ススキが風に揺れている。辿ってきた小夜戸尾根の上に、大きく赤城の山並みが立っている。楽しい林道歩きだった。しかし、7kmの道は、けっこう長かった。

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