ネットを見ていたら、半月峠の南のビークに中禅寺山という名前の山が出て来て驚いた。ずいぶん前に歩いた事があるが、思い出せない。天気は悪そうだが確認しに出掛ける事にした。日光有料道路を走っていると、次第に雨粒がフロントガラスを叩くようになってきた。立木観音前の駐車場に車を止めた。中禅寺湖では、ワカサギ釣りが解禁され、何隻ものボートが糸を垂れている。雨にかすんで景色は冴えなかった。男体山も見えない。

●立木観音前駐車場●
中禅寺湖畔を歩き出す。次第に雨が強くなってきた。すぐにゲートのある(イタリア大使館別荘記念公園)への道へと入っていく。

●イタリア大使館別荘への道●
雨の中、ゆっくりと歩いていく。キーンという声がしたので、左側の斜面を見ると、鹿の群れが居て、こちらを見ている。記念公園を過ぎ、やがて、建築中の家を過ぎると、ゲートになった。

●ゲート●
以前はこの先までマイカーで入れたものである。少し歩くと、左側に道標が立ち、(半月峠)の文字が、山を指している。ここで、水分を補給する。

●半月峠への道標●
山道は、石が多いが、よく整備されていて、斜面にジグザグに続いている。静かでなかなか気持ちがいい。樹林の中だが、あまり、暗い感じはしない。緑が多く、まだ紅葉には早かった。

●登山道●
ジグザグに歩いていくと、笹が多くなってきた。小笹が雨に濡れて緑色を一層濃くしている。気持ちのいい歩きが続く。二本目の標柱の立つ所で一本立てる。実に静かである。文字通り、気持ちが洗われる感じがする。

●半月峠まで、600mの所●
ガスに包まれた緑の笹の斜面を、ゆっくりとあたりを眺めながら、ジグザグに歩いていく。時々、不思議な感覚に襲われる。間もなく、明るい峠に出た。風が、急に体にぶつかってきた。静かな雰囲気の(半月峠)である。

●半月峠●
雨はいつの間にか止んでいた。風が気持ちいい。峠に立つ看板を見ていて、(阿世潟)の文字が、(阿代潟)と書いてあるのを見つけた。傘を畳み、西側の斜面を登り始める。

●峠西側の斜面を登っていく●
風が左から吹いてきて、熱くなった身体を冷やしてくれる。ゆっくりと上がっていくと、斜度が緩くなり、左に曲がりながら進んでいくと、山名標識のある『中禅寺山』山頂に着いた。なるほど、しかし、この標識、いつ頃からあるのであろう。肩からザックを下し、サンドイッチを取り出し、口に持っていきながら、辺りに漂う雰囲気を味わった。下りに晴れ間が出てきて、半月峠から、幾重にも連なった山々が眺められた。素敵だった。さて、急がなくては、6時から出かける用がある。

●中禅寺山山頂にて●

●半月峠●

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