職人の予定が変わったらしく、時間を過ぎても来なかった。ではと、思っていたら、用事のメールが入り、三時まで帰らなければならなくなった。時間が無いので、久しぶりに大小山でも歩こうと、家を出た。朝方からの強い風は、すさまじい勢いでまだ、吹いている。
阿夫利神社前駐車場には、9台の車が止まり、ベンチでは、ザックを背負った男性が、5人賑やかに話をしていた。人気のある山である。阿夫利神社の横を過ぎ、間もなく、石段になり、しばらく上がって行くと、〈男坂と〉と〈女坂〉の分岐になり、右折して男坂へと石段をあがって行く。
風が冷たいと思い着こんできたが、すぐに汗が出始めた。〈仙間神社〉を過ぎると、岩場になり、次第に展望が開けてくる。岩場が終わった所で、上がって来る〈女坂〉と合わさった。三毳山青龍ヶ岳と中岳との間遠く、筑波山が見えている。階段を上がると、東屋の立つ展望所である。真上の崖に〈大〉と〈小〉の文字が下がっている。
大平山や岩船山、諏訪岳から唐沢の山並みなどの連なりを見てから、鉄梯子を登り、少し歩くと尾根上である。上着をザックに仕舞い込んでから、右へと尾根を進んで行く。間もなく、『大小山』と書かれた天狗岩の上に出る。ここを以前は〈鷹巣山〉とも言った。
下って岩場を登り返していくと、三角点の埋まる『大小山』山頂である。今は、〈妙義山〉の山名板がある。国土地理院の地形図、明治から現在に至るまで、〈大小山〉の記載があるのになぜ?と言う感じである。ちなみに、〈妙義山〉は、点名である。
日光の山並みや皇海山、袈裟丸連峰や赤城の山並みも見える。浅間山の左には、テーブルマウンテン荒船山が平らな山形を見せている。西上州の山々も眺められた。大坊山を見ながら岩場を下っていく。大岩の下りにはロープが下がっていた。
上り返すと、道標の立つ『木落し』山頂である。足利の町並みを見下ろしながら先へと進んで行く。次のピークから左へと下り、岩尾根を進んで行く。やはり、風は強く冷たい。しばらく尾根道をアップダウンしていくと、〈山神様〉に会った。岩の間を上っていくと、狭いピークに出た。ここが、『山神山南峰』、少し下り、登り上げた所が『山神山北峰』である。ここを下れば、越床峠はすぐである。
ギリギリの時間だが、〈ローソク岩〉まで歩いてみる。岩尾根を過ぎ、樹林の中を緩く下っていくと、〈ローソク岩入口・5分〉と書かれた板があり、左下へと急降下、間もなく、岩場に出た。成る程、それらしき岩が立っていた。陣屋休憩所が上方に見えている。
大小山まで戻り、時計を見ながら、一服する。風はやみ、太陽の照りつけが暑い。少しの間、サンドイッチを食べながら、広がる景色を眺めやった。何時来ても、眺望が素晴らしく、気持ちよく、楽しめる山である。

●阿夫利神社前駐車場●

●阿夫利神社●

●石段●

●女坂男坂 分岐●

●仙間神社●

●岩場●

●岩場●

●東屋と大小の文字●

●大小の文字●

●天狗岩〈大小山〉山頂●

●大小山〈妙義山〉山頂●

●岩尾根の登り●

●木落し山頂●

●岩尾根と大坊山、つつじ山●

●蛙岩●

●山神様●

●山神山山頂にて●

●ローソク岩●

●大小山●

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