東芝EMIのクラッシック初期盤、最高です。特に80年代にリリースされたCC35とかCC33から始まる品番のがイイんだ。
この良さに気付いたきっかけはもちろんフルトヴェングラーだったわけだけど、ハマったのは上掲写真の
シャルル・ミュンシュの3枚から。
ミュンシュは、1967年、フランスの威信をかけて設立されたパリ管弦楽団の初代音楽監督に就任。当時すでに76歳の高齢だった彼は、全精力を注いで同楽団を鍛え上げたが、翌年、楽団を率いての演奏旅行中にアメリカで客死した。
EMIの3枚は、ミュンシュがパリ管を率いたたった1年の間に残された偉大な記録だ。
2月にジェフ・ベックの横浜公演を観に行ったとき、友達にわがままを言ってユニオンに寄ってもらい、そこで見つけたのがミュンシュの
「ベルリオーズ/幻想交響曲」だった。状態がすこぶる良かったもので、なんの気なしに買ってみたんだけど、これが本当に良かった。
「幻想」なんてストーカー男の自殺未遂が題材なわけで、個人的にはこんなウジウジした軟弱極まりない音楽は嫌いなはずなんだけど、ミュンシュの演奏だと陶酔できるから不思議だ。まるで青年の引き締まった筋肉が透けて見えるような演奏が魅力的。
さらに、そんな引き締まった男性的な演奏をダイレクトに伝える音の響きにヤラレた。低音が音圧ではなく音の響きとして伝わってきて鳥肌が立った。加工による厚化粧をほどこされる前の音楽がこんなに素晴らしいとは。
以来、機会をとらえてミュンシュ・パリ管の他の2枚
「ブラームス/交響曲第1番」「ラヴェル/ボレロ・スペイン狂詩曲 他」の初期盤を入手。どれも初期盤CDの潜在能力を堪能できるものだった。
ただ、東芝EMIの初期盤を集める上でネックになるのは、
ケース背が褪色しやすいってことだな。CC35やCC33の品番のやつは背が朱色と淡い黄色なんだけど、中古で売ってるのはほとんどが色褪せして白っぽくなってしまっていて、ケースの状態にうるさい私には満足できないものがほとんどなんだ。
まあ、気長にじっくり集めていきますか。

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